2015年1月31日より全国公開
松竹、アスミック・エース
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本作は一度解散したオーケストラが、再び集められ再起していく様子がコミカルに描かれています。オーケストラなので、当然たくさんのメンバーがいるのですが上手くいろいろな人物に焦点をあて、ちょっとずつオーケストラ全体が成長していく過程がバランス良く描かれていました。 個人的には、松坂桃李がちょっとおもしろいことをやってくれる役柄の方が好きなのですが、今回松坂桃李が演じたのは二枚目に徹したプロのヴァイオリニスト役だったので、ちょっと物足りなさがありました(笑)。でもコンサートマスターとしてオーケストラを率いり、自分自身の問題とも葛藤しつつも向き合っていく姿はやっぱりかっこ良かったです。逆に本作のおもしろい部分の大半を担っているのが、“マエストロ=指揮者”役の西田敏行で、大工のような風貌や下ネタまじりのオヤジギャグなど、笑えるシーンがたくさんありました。 本作には、多少音楽用語も登場しますが、使用される楽曲がベートーヴェンの「運命」と、シューベルトの「未完成交響曲」なので、馴染みやすく音楽に詳しくなくてもわかるレベルなので、内容につまずくことはありません。むしろ、それぞれの楽器や曲の特性が少しわかるようになるので、オーケストラへの興味も増しました。ぜひストーリー、音楽共に楽しみながら観てください。 |
恋愛要素がないのでロマンチックなムードにしたいときのデートには向きませんが、普段のデートで観るには気兼ねなく観ることができます。オーケストラのお話ですが、物語そのものは人間ドラマが中心となっているので、どちらかがあまり音楽に興味がなかったとしても問題なく楽しめます。もし本作をきっかけにオーケストラにも興味を持てたら次は、「生のオーケストラを聴きに行こう」という流れに持っていくのもアリですね! |
キッズもティーンも楽しめます。本作のメインはオーケストラですが、集団で何かをするという意味では、学校のクラスもオーケストラも同じことです。バラバラなオーケストラメンバーが変化していく様子を観て、個性の出し方や協調性の大切さを学んで欲しいと思います。ティーンはそれぞれのキャラクターが抱える問題に注目して、オーケストラ全体の問題は何なのかを客観的に観察しましょう。もし音楽に興味を持てたら、自分で曲について調べたり、実際に楽器にチャレンジしてみてください。もしかしたら将来はプロの楽器奏者なんてこともあるかも知れませんよ。 |
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©2015『マエストロ!』製作委員会 ©さそうあきら/双葉社
2015.1.26 TEXT by Myson