2017年2月11日より全国順次公開
エレファント・ハウス
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本作は、富山県射水市にある新湊という小さな町を舞台に、経度の知的障がいを持った、真白の初恋と成長を描いたもの。作品のため写真を撮りに東京からこの町に訪れていたカメラマンの男性が、ひょんなことから真白に出会い、地元の撮影スポットを案内してもらうのですが、真白は見た目では障がいがあるようには見えず、男性はそのことを知りません。前半は真白の恋心が芽生え、どんどんそれが膨らんでいく様子が、雪景色を背景に美しく描かれているのですが、後半は一転して、急に現実に引き戻されるシリアスなストーリーに変わっていきます。真白が心配で危険な事から守りたいと、彼女を小さな世界に閉じ込めようとする家族の気持ちも理解できなくはないですが、とはいえ、真白だって“普通の人”と同じように恋だってして良いだろうという思いが、ぶつかり合います。ここで大きなテーマになっているのが、“普通って何?”ということなんですが、サポートが必要な部分と、自由意思を尊重する部分のバランスは、とても難しいものだなと改めて感じました。一方で、ここで描かれていることは、障がいがあるか否かに関わらず、親子がいつかは体験するもので、いつ子離れするかというシンプルな話のようにも思えます。本作は、そんなテーマを押しつけるのではなく、自然に問題提起している点でも共感できます。 |
とても深く考えさせられるテーマなので、感想を述べ合うことでお互いの価値観がわかる映画だと思います。一方で、こういう問題は偏見を持つ人がいることも否めないので、もし一緒に観た相手が偏見的な意見を言った場合にかなり気まずくなる可能性はあります。なので、初デートには向いていませんが、もっとお互いのディープな部分が知りたいなと思うくらいの付き合いになったカップルにオススメします。 |
私が小学生や中学生の頃、学校に知的障がいを持った友達がいましたが、彼らをいじめる人もいました。心で理解できるかどうかは年齢の問題でもないとは思いますが、とはいえ、やはり本作を手放しにオススメしても、ちゃんと受け止めてくれるのか懸念はあります。できれば、助言をしてくれる大人と一緒に観て、意見交換ができるような状況で、真剣に観て欲しいと思います。 |
©2016『真白の恋』製作委員会
2017.2.26 TEXT by Myson