2014年12月27日より全国公開
東映
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コッテリしたラブストーリーなのかと思いきや、観てみるとサスペンス要素が強い印象でした。一見仲が良さそうな双子の姉妹のあいだにある因縁、そして彼女たちを愛した男達との関係性の変化を描くことで、人間のアイデンティティーの形成について追究していく物語は、とても興味深かったです。やはり、自我は積み重なった記憶と、その記憶を自分のなかにどう残し、どんな自分として生きていくかの選択。本当の自分が誰だかわからなくなる感覚をとてもリアルに体感することができる内容でした。 双子の姉妹は展開していくうちにお互いの形勢も変わっていくので、どちらが上手(うわて)なのかも女子としては見どころの一つ。結末の解釈は、観た人同士で語り甲斐があります。伏線をどう辿り、どの部分をチョイスしてキャラクターを認識するか、もしかしたら何度も観る度にキャラクター像、結末の解釈が変わるのかも知れません。そういったおもしろさを持つ作品です。そして、三浦春馬主演、監督は行定勲ですが、日中合作映画なので、邦画とは違う雰囲気もぜひ楽しんでください。 |
ラブストーリーの要素はありますが、きわどいシーンなどもなく、男女のやりとりに焦点が当てられているというよりは、三浦春馬が演じるリョウが出会った双子の姉妹の生き方に焦点が当てられたストーリーで、どんなカップルが観ても、内容的には支障はありません。ラストの解釈をどう捉えたか、議論のし甲斐があるので、映画を観終わった後の会話は弾むと思います。ただ、逆に伏線を辿って解釈を楽しむような少し頭を使う映画が苦手という人を誘うと、結末を語り合う以前の問題になるので、その辺りの好みは知った上で誘いましょう。 |
内容はキッズ、ティーン共に観て問題はありませんが、ストーリーを追って、いろいろな伏線を辿る楽しさを知るには、キッズにはまだちょっと難しいかも知れません。ティーンは問題なく楽しめるので、集中して、結末へのヒントを探しながら観てください。観終わってから、物語を整理したくなると思うので、友達や家族と一緒に観ることをオススメします。 |
©2014 “Five Minutes to Tomorrow” Film Partners
2014.12.24 TEXT by Myson