2016年7月23日より全国公開
ファントム・フィルム
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幼い頃に溺死した母の死の真相をずっと知らされずに生きてきた兄アントワンと妹アガットが、大人になり真実と向き合う物語。父や祖母、当時の家政婦、周囲の人々が幼かった兄妹に真相を隠していた理由は何なのか、それが徐々に明かされていくサスペンス的な要素と、各々が真相を隠す理由に見え隠れする人間ドラマは、観る者を惹きつけます。結末には、母の死の真相が描かれているだけでなく、生き様がよく表れていて、それを知ることで兄妹が前に進んでいくという描写が清々しかったです。淡々と日常を描いているストーリーなので見た目の派手さはありませんが、人の心の動きが丁寧に描かれている作品です。 |
ぶっちゃけ地味な映画で、観終わった後に男女でトークが弾むような内容ではありませんが、幼い頃の心の傷のせいで、過去の話を人にできない兄アントワンが、徐々に恋人に話をするようになる過程は、恋人同士の距離の詰め方の参考になるかも知れません。あまり人に話したくないことは誰にでもあると思いますが、無理に聞き出さないで、相手を待つ姿勢も大切だということを感じられると思います。 |
幼い頃に母親を亡くした兄妹が30年後に、母の死の真相を探るストーリーということで、キッズやティーン向きの作品ではありません。ただ、ティーンは内容は理解できると思うので、興味があったら観てみると良いと思います。大人は大人の事情で、子どもに隠し事をすることがありますが、そういう点はティーンの皆さんも身近な出来事として関心が持てるかも知れません。でも、一方的に大人の身勝手と解釈して終わらずに、それぞれの登場人物の思いを想像してみた上で、自分が大人になったら、こういうときどうするかなと考えながら観ると、自分の価値観も少し定まってくると思います。 |
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2016.7.25 TEXT by Myson