2015年2月14日より全国公開
ギャガ
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ストーリーは、渋谷すばるが演じる記憶喪失のポチ男(記憶喪失のため名付けられた仮の名前)を二階堂ふみが演じるカスミが発見するところから展開していき、この男にどんな過去があるのか、記憶喪失のあいだに出会った人たちとの新たな関係、この二つが大きなポイントとなっています。 悩み苦しむ男の姿が泥臭く描かれている点は、山下敦弘監督の過去作『苦役列車』『マイ・バック・ページ』と通ずるところがありましたが、やはり今回の一番の見どころは歌。渋谷すばるの歌なしでは本作は成り立ちません。それくらい渋谷すばる歌声が物語にフル活用されています。ポチ男が和田アキ子の「古い日記」をアカペラで歌うシーンや、舞台上で“赤犬”のメンバーと共に歌うオリジナル楽曲はかなり聴き応えがあり、普段関ジャニ∞で歌う渋谷すばるとはまた違った姿を観ることができました。ちなみに本作のタイトル“味園ユニバース”は実在の場所で、さらに劇中に登場する“赤犬”というグループも実際に大阪を拠点として活動するバンドだそうです。記憶喪失となり何もなくなってしまった男が過去とどう向き合い、立ち上がっていくのかぜひ観てみてください。 |
恋愛要素はありませんが、デートで観てもオーケーです。出演者や物語から、なんとなく若いカップル向きに思うかも知れませんが、結婚して長い夫婦にもぜひ観て欲しいです。ポチ男がカラオケで歌うシーンでは、「赤いスイートピー」「チェリー」など懐かしい歌がたくさん登場します。観終わるときっと「あの歌懐かしかったね」という話題で盛り上がるはず。帰りに「カラオケ寄って行こうか」という展開も楽しそうですね。 |
本作のサブカルっぽい、良い意味で古臭さを感じる雰囲気は、キッズにとっては新感覚かも知れません。ポチ男がとことん悩んでぶつかる姿を観て、素直に気持ちを表現することを学んで欲しいと思います。ティーンは、ポチ男とカスミがそれぞれ大切にしているものに注目してください。せっかくやりたいことがあっても「自分なんて…」と諦めてしまったら、その時点で終わりです。ポチ男がどう自分を奮い立たせていくのか、カスミがどう背中を押すのか参考にしましょう。 |
©2015『味園ユニバース』製作委員会
2015.2.3 TEXT by Shamy