2014年8月30日より全国公開
ユーロスペース
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本作はざっくり言うと、サラ・ポーリー自身のルーツを辿るドキュメンタリーですが、家族の歴史を描いた作品とも言えます。サラの家族や周囲の人々へのインタビュー映像と、今は亡きサラの母の過去の映像で構成されていますが、『物語る私たち』というタイトルながら一体何が語られるのか最初はわかりません。お話の軸はサラの母ではあるのですが、だんだんとサラ自身の出生の秘密について語られていきます。本国ではこの事実はゴシップとなっていただろうと思いますが、そういう渦中でサラが感じていたことや、このできごとに関わる人との関係性なども描かれていて、ドキュメンタリーながらドラマを観ているような感覚もありました。かなり家族にとってはショックが大きかったと思える事実をこうして映画として自分たちの言葉で語るという手法をとるサラは、やはり映画人だなと思いました。サラだけでなく家族も自分の家族について世の中に明かすわけですから、心が強くないとできないですよね。芸能界に携わっている以上、プライベートが公に出てしまうことは否めないにしても、それも利用して作品にしてしまうサラの精神には感心し、共感しました。サラの両親の話も男女の愛、夫婦愛について考えさせられる部分があります。ちょっと変わった作品を観てみたいという方はぜひご覧ください。 |
きわどいシーンなどはありませんが、デートムービーというノリではありません。要素的にドラマチックな部分もありますが、見た目の派手さはなく、インタビュー映像と過去の映像を組み合わせたドキュメンタリーなので、興味深く観られる人もいれば、サラ・ポーリー自体を知らない方は特にあまり興味がなく終わってしまうかも知れません。いろんなタイプの映画を観てみたいなど好奇心がある方なら誘ってみても良いと思いますが、1人で観に行くか、映画好き同士で観に行くのが良いと思います。 |
観ても害はありませんが、キッズはおもしろみを感じられるかは難しいところです。もう少し大人になってから観てください。ティーンも理解できるとは思いますが、映画を観慣れていない人でサラ・ポーリーすら知らなければ、興味を持ってみられるか微妙です。でも親と子どもの絆、血の繋がりの重要性などを描いているので、自分がサラの立場だったらどうするか考えながら観てみると楽しめるかも知れません。 |
© 2012 National Film Board of Canada
2014.8.6 TEXT by Myson