『ロイヤル・テネンバウムズ』のウェス・アンダーソン監督作。期待通り、とってもかわいくてシュールで独特な世界観が楽しめました。物語の舞台が1965年なので、小道具や衣装、主人公の少女スージーのメイクはレトロな雰囲気が活かされ、とてもキュートです。映画資料の監督自身の話では、個人的に監督がノスタルジア自体に興味があるわけではなかったけれど、今作では偶然60年代が舞台になったようで、なんとなくノーマン・ロックウェル(1894-1978/アメリカの画家でイラストレーター。一般庶民の生活をモデルにした軽いタッチの作品が多い)が描くアメリカをイメージしたとのこと。監督にとってこの時代はみんながイノセントだった最後の時代という印象があったようです。なるほど、そう考えて観てみると、主人公たち自身がピュアということだけでなく、この時代に生きる他のキャラクターも含めてピュアさが描かれている点に納得です。
主人公の少女スージーとと少年サムは12歳ながら駆け落ちをするわけですから大人になりたいという意識も強く背伸びしますが、まだ“駆け落ちごっこ”に過ぎません。でも、“ごっこ”にしては苦い体験になりながらも、二人が起こした行動は、この狭い街でほかの子どもたちや大人たちにも大きな影響を及ぼします。二人の冒険を通して成長するのは彼らのみならず、同じくピュアなハートを持った他の人々も…という部分で心がほっこりしました。脇役の大人たちには、ブルース・ウィリス、エドワード・ノーン、ビル・マーレイ、フランシス・マクドーマンド、ティルダ・スウィントンと、豪華キャスト起用という点も見どころです。映画好き女子にオススメの一作です。
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子ども同士のとてもかわいらしい恋の物語なので、デートで観るのにオススメです。12歳の少年少女の恋というには少し背伸びをしたシーンもあるので、日本の12歳が同じことをやっていたらちょっとビックリしますが、大人のカップルならばウブな初心に戻れて良いのではないでしょうか。女子が好みそうな世界観というだけでなく、アート好きな男子でも楽しめると思うので、オシャレな気分で楽しみたい日のデートにオススメです。 |