2011年5月28日より全国公開
アスミック・エース
公式サイト
長い…とは思いましたが映画そのものはおもしろかったです。実在の事件をもとに描かれたドラマですが、こんなことがあって良いのかとびっくりです。松山ケンイチが演じている梅山という大学生がほんとにインチキ臭くて、見ていてイラッとしましたが、松山ケンイチって演技がうまいなと今回も思いました。今作では良い感じで気持ち悪いです(笑)。 この映画のテーマ「戦う」という部分で、日常の戦い、見た目の戦い、武力での戦い…いろいろな戦いはあるけれど、「戦うことの本質」を考えさせられました。 松山ケンイチが演じている梅山(片桐)の戦いは、最後まではっきりとした目的が見えません。でも、「戦わなければいけない衝動」って若いときにあったよなと少し共感できる点はありました。もちろん武装という意味ではないですが。自分の焦りで戦わなければいけないと思っているのか、世の中にそういうプレッシャーをかけられて戦わされているのか、そんなことも自分で客観視する余裕もなく、ただ「戦っているつもり」になっている若者は多いと思います。自分もそうだった気がするし。それに「戦っているように見えるリーダー」を信じてしまっている人、また自身もそう信じているリーダーもこの世の中にいっぱいいそうだなと思いました。むしろそっちの方が多かったりして…。そんなことが客観視できるのがこの映画のおもしろいところだし、これって時代を問わず、若者に限らず社会にいっぱいありそうな構図です。なんだか空しい気分になりました。 もう一つ、「泣ける男の人がステキ」というようなセリフがあるのですが、そのあたりの真意も最後に描かれています。弱さを受け入れるということなのか、何なのか、解釈はいろいろありそうですが、いろいろな想像を膨らませてくれる良い映画です。 |
ちょっと内容が難しいというか重苦しいというか、思想がどうのこうの…という気楽には観られない話題なので好き嫌いが分かれそうです。デートに向いている映画とは言えませんが、男女それぞれに興味深く思えるシーンはあります。どちらかというと男性が好きそうなテーマですが、女性も「戦う男」「戦っているつもりの男」を客観視するのに良い題材の映画ではあります。「この映画、自分が大学生のときに観ていたら違った感情があったのか」と自分の人生を客観視する上でもおもしろい作品なので、大学生くらいのカップルに観て欲しいなと思います。 |
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2011.4.9 TEXT by Myson