人魚がいたという伝説が残る田舎の町を舞台にしたファンタジー・アニメーション。『ちびまる子ちゃん』や『劇場版クレヨンしんちゃんシリーズ』に携わり、脚本も担当した映画初監督作品『マインド・ゲーム』(2004)では、文化庁メディア芸術祭アニメーション部門大賞ほか数々の賞を総なめにした湯浅政明監督の完全オリジナル劇場用作品です。
資料によると、同調圧力が蔓延する現代で、湯浅が抱いた「心から好きなものを、口に出して“好き”と言えているか?」という疑問がこの物語の出発点だったそうですが、主人公の中学生カイが、音楽を通じていろいろな体験、冒険をし成長していく様子や、家族三代に通じる因縁が音楽によって正しい方向に導かれていく過程に共感できました。また、人魚伝説と音楽、傘、水害…、思わぬところで物語が繋がっていく構成の素晴らしさ、ルーや海の仲間達の可愛さも魅力。ルーの声もとても可愛くて、神秘的な演出も効いています。大人も子どもも楽しめる本作のようなアニメーション作品が増えることで、観る側の選択肢も増えてきて、より日本のアニメ界が盛況になると良いなと思います。
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大人が観ても楽しめますが、どちらかというと、若いカップル向けかなと思います。ラブストーリーの要素はちらっとありますが、基本的には青春もののファンタジーなので、カップルで観て気まずい点はありません。心から好きな事があるのに、皆には言えずに胸にしまい込んでいる少年が主人公なので、もし少年と同じような状況があったら、本作の鑑賞を機に、お互い告白してみてはどうでしょうか? |
本作は中学生が主人公なので、ティーンの皆さんは等身大で楽しめると思います。好きでやりたいことがあっても、住んでいる環境や、家族の意見に邪魔されて、なかなか言い出せないことがあるかも知れません。でも、主人公のように一緒に夢中になれる仲間を見つけたり、応援してくれる人を見つければ、少し希望が見えてくると思います。まずは1番の友達を誘って本作を観に行って、自分の気持ちを話してみてはどうでしょうか? |