2013年2月23日より全国公開
ショウゲート
公式サイト 予告編
『悪人』の吉田修一の小説を映画化した本作。どんなお話なのか全然知らずに観ましたが、『悪人』の作風とは違って、太陽のように明るい青年が主人公の楽しい映画で意外でした。2時間40分という上映時間に耐えうるか心配でしたが、それほど長く感じませんでした。タイトルのとおり、横道世之介が主人公ではありますが、同時にその周りの人物たちもそれぞれのくだりで主人公になっていて、いろいろな人の人生に横道世之介がどう関わり、彼がどういう人物として思い出に残っているのかという視点で描かれています。主には現実的な日常が描かれているだけなので、これといった大事件が起こるわけでもないですが、観る側の青春時代にもリンクするようなできごとが多々出てくるので、共感しながら退屈することなく楽しめました。まっすぐで明るくて、ちょっとダメなところもあるけれど、何かがきっかけで大人になろうと頑張り始めて…という、横道世之介の人生は観ていてとても清々しいです。一昔前のよき時代の日本を彷彿とさせる横道世之介の人物像は、今の日本にも必要ですね。ちょっと切ない部分もありますが、そこも含めて全体的に暖かみのある作品なので、どんな方でも楽しめます。 |
笑えるところが多々あり、終始楽しい雰囲気なので、デートで観るのも良いと思います。突飛な話はないので派手な展開は期待しないで観て欲しいですが、逆に言うと、誰もが経験する青春時代の日常を描いているので、共感できる要素は多くあります。田舎から出てきたピュアな青年が、都会生活に揉まれながらも楽しんで生きている姿はとても微笑ましいので、彼氏や旦那さんが田舎者であることに少々うんざりしている方は、都会に染まらない相手のピュアな良さを少しでも理解するため、一緒に観に行ってはどうでしょうか。 |
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© 2013『横道世之介』製作委員会
2013.2.8 TEXT by Myson