2017年5月13日より新宿ピカデリー、ユーロスペースにて先行公開、5月27日より全国公開
東京テアトル
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自分の人生を愛せないでもがいている人達のストーリーで、ポジティブ過ぎる性格の私は、最初どう心を置いて観れば良いのか戸惑いました。とはいえ、どんなにポジティブに生きていても、人生には必ず波があり、私にもこういう“暗黒時代”はあったので、観ているうちに遠い記憶が鮮明に呼び覚まされました。今では東京生活を満喫していますが、出てきたばかりで孤独に押し潰されそうになった時期、人との距離の取り方がわからなくて戸惑っていた時期…、「思えば私にもそんな時期があったんだ」と生々しい記憶が蘇り、同時に今の幸せを改めて実感(笑)。あの時本当に耐えて良かったなとつくづく思いました。前半のストーリーはずっとけだるい感じで悶々としますが、それはそれで現実を受け入れて生きているキャラクター達には共感を覚えて、希望が持てるラストに救われます。無責任に「頑張れ!頑張れ!」とだけ言い放つようなお節介な映画ではないところが、とても今風。若い人はもちろん、若い人達のリアルな心情を知るきっかけに大人達も観てみると良いのではないでしょうか。 |
ラブストーリーなのかどうか微妙な描写も見どころですが、特に友達以上恋人未満のカップルは、自分達を客観視できる部分があると思います。地元から離れて暮らしている人に共感できる心情が描かれているので、そういうカップルは、鑑賞後に自分達の経験を語るきっかけにできそうです。感覚的な相性の良さはこんな感じかなと思える部分も、自分達の相性を占う参考にできると思いますよ。 |
早ければ小学校高学年くらいになると、主人公達にあるような感覚が芽生えてくるのかも知れないと思うと、ティーンの皆さんのほうが親近感を抱きやすい内容かも知れません。希望がいっぱいのはずなのに、言葉にできない不安に襲われるのも若いからこその心理ではないでしょうか。キラキラしていたいのに、キラキラできていない自分に愕然としたり、若さゆえのジレンマに陥る苦しみは皆さんの心に通じるものがあるでしょう。 |
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2017.5.1 TEXT by Myson