2017年9月23日より全国公開/PG-12
東映、日活
公式サイト
人の死に関わった人間が罪悪感を持つのか、持たないのかという点と、そのことが人生にどう影響していくのかを、大きく分けて二つの視点で巧みに描いたストーリー。“ユリゴコロ”と題されたノートの内容はとてもおぞましいもので、前半は殺人鬼の回顧録を怖いモノ見たさで観ている感覚に陥りますが、後半は意外な展開が待ち受けていて、罪を犯した人間がいかに罰を受けていくのかという過程に引き込まれていきます。吉高由里子、松坂桃李、松山ケンイチの演技が素晴らしく、物語にゾッとしながらも、人間を愛おしく思わせるものがあります。目をふさぎたくなるようなシーンもいくつか出てくるので、苦手な人もいると思いますが、パンチ力のある邦画としてぜひ映画好きには観て欲しいです。 |
ある意味、ラブストーリーではあるのですが、かなり衝撃的なシーンが含まれるので特に前半はロマンチックな気分になっている余裕がありません。ただ、誰かから深く愛されることで人間が変わっていく様を描いている点では、カップルとして共感できる部分もあり、映画デートに行き慣れたカップルは観てみると良いのではないでしょうか。 |
自傷行為をするシーンが出てきたり、子どもが観るには刺激が強すぎる要素があるため、ある程度理解力と分別が付いてから観て欲しい作品です。誰かを殺すことで自分を保っている主人公が、どういう人生を歩むことになるのかという描写に、人間への希望も含まれているので、衝撃的なシーンだけでなく、人間ドラマの部分にも注目して観てください。 |
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©沼田まほかる/双葉社 ©2017「ユリゴコロ」製作委員会
2017.9.13 TEXT by Myson