2013年4月19日より全国公開
20世紀フォックス映画
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正直なところ題材が題材だけに観る前は小難しいイメージがあり、アメリカ人が観たらきっと思い入れ深く本作を観るのだろうな〜とちょっと引いた位置から鑑賞スタート。想像のとおり政治の話がメインながら、本作では主に父親としての顔が描かれていた点で思ったよりも話に入り込めました。「奴隷解放宣言」「南北戦争」について学校の授業では出来事として習うだけでしたが、憲法改正が可決するまでのリンカーンと周囲の人の物語がこれほどのことだったのかと思うと興味も増しました。個人的にはトミー・リー・ジョーンズが演じていた奴隷解放急進派タデウス・スティーブンスに共感しましたが、国を動かしている人の思想や行動も、結局は自分の家族など身近なところから発する思いや発想がもとになっているんだなと改めて感じました。 ジョセフ・ゴードン=レヴィットが演じている息子ロバートが北軍に入隊したいというシーンは、大統領という立場と父という立場のバランスの難しさ、家族から理解を得ることの難しさ、権力で家族を守ることの限界など、あらゆることを考えさせられます。父であり、夫であり、人間であるからこそ、国民の望む国を作れるのだろうと思いますが、国を変えられる立場になると、家族から遠のいてしまうというのは皮肉なものですね。 一人の人間としてのリンカーンの物語、いろいろな策略のもと政治が大きく動いたという歴史物語、両方の側面で楽しめる作品です。わかりやすい感動作というのではありませんが、歴史モノが好きな方はぜひ。 |
デートで観るにはちょっと堅いですね。歴史が好きならば楽しめるかも知れませんが、そもそも「奴隷解放宣言って何だっけ?」とか「南北戦争って?」というレベルの興味の人と観ると、たぶん盛り上がれないでしょう。逆に歴史に詳しすぎてこちらのレベルと違い過ぎると、バカにされるか、不要なほどいろいろと解説させrて面倒くさいかも知れません。ほどほどに理解があって、ドラマとして一緒に楽しんでくれそうな人と観るのだったら良いと思います。 |
小学生以下にはちょっと難しいかも知れませんが、中学生以上なら学校で歴史を習って馴染みがあると思うので、勉強も兼ねて観ると良いでしょう。歴史を丸暗記するのではなく、こういうドラマとして観ると歴史的事項もより頭に入ります。また、本作はリンカーンと息子たちのストーリーも多く含まれているので、「もしも、自分たちが彼らと同じ立場だったら?」と、親の立場、子の立場と、観終わった後にお互いの感想を語りあうのも良いでしょう。大統領とはレベルが違えど、仕事と家庭の両立という部分で、子どもの考えを少し知ることが出来るかも知れません。 |
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2013.4.17 TEXT by Myson