2013年11月22日より全国順次公開
CURIOUSCOPE
公式サイト
憧れのデザイナーの仕事ができるとはりきって入った会社がラブグッズの会社だった…というストーリーの始まり方から想像して、もっとコミカルな展開なのかと思いきや、明るいながらも真剣にセックスレスや女性の悩みも扱ったテーマだったので、その意外性がまず良かったです。そして、何より私自身もラブグッズたる表現を知らなかったので「アダルト・グッズ」という表現からくる先入観がバリバリで、こういうグッズを使う人は特殊なことをしたい趣味趣向の人だけだと思っていたら、「お悩み解決」のためのグッズとして活用されている事実も知り、大変驚かされました。劇中のエピソードも実話をもとにしているそうです。観終わった後に「ラブグッズ」という言い方が浸透しているのかも気になり検索しちゃいましたが、nissenなどの一般通販サイトですら扱っていてビックリです。思っている以上に利用者がいそうですね。劇中ではエログッズだけではなく、普通に化粧品としてリップなども販売していたり、「ラブグッズ」の解釈そのものが「アダルト・グッズ」とは別物。少子化問題にまで触れていましたが、根本は「愛を育むためのグッズ」という発想のようです。 監督は『ペンギン夫婦の作り方』の平林克理監督でストーリーはとてもシンプルでわかりやすく、派手さや過激さはないですが、極普通の女子が見知らぬ世界に入り込み成長する姿を描いた爽やかな作品です。 |
観る前はやっぱり「アダルト・グッズを作っている会社の話だったら、気まずいんじゃない?」と思ってしまうでしょうが、エッチなシーンと言えば、劇中のテレビにそれらしき映像が数回映る程度で、本作のストーリーのなかには気まずくなるようなエロシーンはありません。なぜ「ラブグッズ」と言っているのか、本作を一緒に観ることで見方が変わると思うので、もし2人の間で性的な悩みがあったらさりげなく「こういうの使ってみる?」と冗談半分で持ち出すきっかけになるかも知れません。生々しい話ですが、体の関係が既にあるカップルは本作を観て恥ずかしがる要素はあまり無いので大丈夫でしょう。 |
キッズは自分たちが普段使っているおもちゃとは見た目や雰囲気が似ていても、目的が全く違うグッズを観て戸惑うと思うので、大人になってから観ましょう。…っていうか、R指定はないですが、本作をキッズやティーン向けにコメントする必要はなさそうですね(笑)。「ラブグッズ」がどんなものなのかがわかってくる年頃になったら観てもらえばと思います。 |
©映画「ラブクラフト・ガール」
2013.11.19 TEXT by Myson