2014年3月14日より全国公開
ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
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劇場用1作目として作られたオリジナル『ロボコップ』は1987年に公開。当時「近い将来、実際にこんな警官が出てくるかも知れない」というワクワク感と、悲壮感漂うストーリーにキュンとしながら、どちらかというとヒーローものとして観ていたのは覚えています。そして、あれから15年以上経った今作られた本作は、科学技術的な演出にリアルさと説得力が増したので「もう既にこういうマシーンがどこかで作られているのではないか」と思えるほど身近な物語に感じたし、ヒーローものというよりは社会風刺が強まった印象でした。「危険な任務を人の代わりにロボットがやるというのは効率的だけど、ロボットだから人間とは違って情状酌量の余地がなく機械的な判断しかできないことがかえって危険な場合もあり信頼に欠ける」という世論を覆すために作られたロボコップ。前半は痛快アクションとして最先端技術の凄さを楽しめますが、後半は人間ドラマとして主人公マーフィの心の葛藤を目にしていろいろと考えさせられる内容になっています。ただ、テーマは深いですが、物語のトーンとしてはユーモアも盛り込まれていて、皮肉の効いたシーンに笑えたり、テンポも良いので観やすいです。脇役を固めるのがゲイリー・オールドマン、マイケル・キートン、サミュエル・L・ジャクソンという豪華なキャストで安心感があり、主演のジョエル・キナマンもちょうど良い程度に不気味さを醸し出している点で半分ロボット半分人間というキャラクターに合っていたし、途中ロボコップの体の中を見せるシーンも予想以上に凝っていてグロテスクながら見応えがありました。女子ならではの視点としては、主人公マーフィの妻の目線で観ると感情移入しやすいと思うので、いろいろな観方をしてみてください。 |
半分人間で半分ロボットという設定なのできまずくなるような生々しいラブシーンは出てこないかわりに、主人公マーフィの体の中を見せるシーンが逆に生々しく少々グロテスクではあります。でも耐えられないというほどではないので、男女問わずどんな人でも観られる内容です。ただのロボットアクション、SFというわけではなく、人間ドラマの部分もあるので、ジャンルとしても意外に幅がありデートで観ても問題なく楽しめます。 |
わかりやすいストーリーなので、キッズは本作に込められたテーマを完全に理解できないとしても、何か考えさせられるところがあるとわかるでしょう。父と息子の話も出てくるので、主人公マーフィの息子デイビッドの視点で観てみるのも良いと思います。ティーンはキッズよりももう一歩踏み込んで、なぜこの映画で描かているような議論が起こるのかなど、科学技術の進歩とそれに伴う倫理観についても考えてみると良いですよ。 |
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2014.3.4 TEXT by Myson