2016年4月8日より全国順次公開
ギャガ
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物語にも感動したし、構成も見事で、本当に良い映画を観たという充実感でいっぱいになりました。朝起きて食事を終えても全く出かけようとしない母子。だんだんと彼らの事情がわかってくるのですが、じわじわと状況がわかると同時に、希望を持つだけ辛くなるから現実逃避した方がマシだと思うか、諦めないで闘うのか、観ているこちら側も選択させられるような気分になります。そんなテンションで前半はハラハラドキドキの展開が続くのですが、こういうラストが待っていると勝手に予想していたら、結末はそこではなくて、早い段階で一つ物語が転換を迎えます。具体的な内容はネタバレするので避けますが、問題は彼らが“ルームから本当に出られる日”は来るのかということ。息子のジャックが捉える“ルーム”と、大人のジョイが捉える“ルーム”も違っていて、その対比も実に見事に描かれています。2人のやりとりにすごく学ぶものがありましたが、狭くて自分たちしかいない世界から、外の世界へ行くことはすごく怖いことだけれど、外の世界には大きな可能性と喜びもある。本作は、彼らに起こった不幸な出来事をサスペンスとして描くだけでなく、“ルーム”という例をもちいて、私達観客も皆“ルーム”に閉じこもっていることがあるだろうと投げかけてきます。ジェイコブ・トレンブレイが演じるジャックが本当に可愛くて、彼の強さにも勇気をもらえますが、子どものパワーって本当に強いですね。子どもの信じる力や、素直な気持ちって、こんなにも強い力を発揮するのだなと改めて感じました。他にも語り尽くせないほど良さが詰まった本作ですが、これは本当に必見です! |
ロマンチックなムードになる映画ではないし、ポスタービジュアルの清々しい母子の姿からは想像できないほど、全般的にとてもシリアスな人間ドラマです。なので、デート・ムービーという感じではないですが、母子が闘う姿は誰が観ても感動的で、この感動を一緒に味わってもらうことはカップルにとって有意義だと思います。語り甲斐のあるストーリーなので、観終わった後も深い会話をできるでしょう。 |
キッズが活躍する映画ではありますが、幼いキッズにはまだ難しい内容だと思うし、主人公の1人である5歳のジャックと同じように怖いと思うでしょう。なので個人的には中学生以上になってから観るのが良いと思いますが、小学生高学年くらいなら理解できる内容だと思います。主人公のジョイ(ママ)とジャックに起きている出来事は想像するだけでゾッとしますが、問題の解決は思ったよりもずっと複雑で、でも問題から目を剃らさずに向き合う主人公達の姿に、勇気をもらえると思います。1人では戦えなくても、家族や仲間がいれば乗り越えられる、そんな点にも注目してもらえたらと思います。 |
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2016.3.29 TEXT by Myson