2013年1月25日より全国公開
20世紀フォックス映画
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動物園を経営していた一家がインドからカナダに移り住むために乗った貨物船が嵐のため沈没。何とか船から脱出した16歳の少年パイは救命ボートに乗るが、いつの間にかベンガルトラもそのボートに乗っており、共に太平洋を227日間漂流するという奇想天外なストーリー。227日間も漂流しているだけで生き残れるかわからないのに、さらに飢えたベンガルトラにも命を狙われる状況で、少年はなぜ生き残れたのか?観る前は、トラはもともと少年と仲が良かったのかと思っていましたが、そうでもなく、物語の展開は予想できなかったので、余計に楽しめました。映画の2/3くらいはずっと漂流シーンで少年とトラしか登場しませんが、退屈させることなくこれだけ見せられるのはすごいと思います。 そして、観ている側も漂流した気分でどっと疲れて「こんなの信じられない」と思っている心境をそのまま劇中の聞き手キャラが代弁してくれるのですが、少年が誰も信じてくれなかったので仕方なく用意したもう一つの筋書きを語って「どっちのストーリーを信じたい?」という最後の問いかけに、この映画が言いたいことの全てがあると感じました。何が起きたとしても、そのできごとをどう解釈、受け取るかは自分次第。自分がストーリーを作り、選ぶんだということを改めて思い出させてくれる作品でした。最近、不幸なことがあって落ち込んでいる方、自分はいつもツイてないと思ってしまう方に観てもらえれば、発想の転換をするきっかけをもらえると思います。 |
デートで観てもオーケーです。ロマンチックな展開はありませんが、ハラハラしながら一緒に漂流アドベンチャーを楽しめるでしょう。哲学的に物事を観るのが好きなカップルは、鑑賞後に語り甲斐があると思います。ただし、相手がミーハーな場合は、あまり有名な俳優が出ておらず、観ようによっては漂流シーンに飽きてしまうかも知れません。少々、好みが分かれる作品と言えます。 |
© 2012 Twentieth Century Fox
2012.12.31 TEXT by Myson