2017年6月16日より全国公開
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アジアが誇るアクションスター、ジャッキー・チェンの主演最新作は、2013年公開『ポリス・ストーリー/レジェンド 』のディン・シェン監督と再タッグを組んだ痛快アクション・コメディ!舞台となるのは第2次世界大戦下の中国で、日本軍の軍用列車から食料などを盗難していたゲリラ隊“レイルロード・タイガース”が、目の前で命を落とした若い中国兵の意志を継ぎ、列車爆破と橋の破壊というミッションに大奮闘する姿を描きます。キレキレのアクション、列車という舞台を生かしたスピード感、コミカルなキャラクター達によるドタバタ劇と、ジャッキー映画の魅力がたっぷり詰まった爽快な作品であり、ゲリラ隊のリーダーであるマー・ユェンを演じたジャッキーほか、韓国の人気アイドルグループ「EXO」の元メンバーであるファン・ズータオ、台湾で2015年度興収第1位を記録した『私の少女時代 Our Times』のワン・ダールー、中国のイケメン演技派俳優のワン・カイといったアジアのイケメン達を堪能できるのも本作の大きな見どころ。ジャッキーと息子のジェイシー・チャンによるソックリ親子共演にも注目ですよ。そんな個性的なメンツのなかでもひときわ存在感を放つのが、日本軍のリーダーを演じる池内博之。『イップ・マン 序章』での演技にシェン監督が惚れ込んで出演が決まったそうですが、予想以上に出演シーンも多く、アクションを見事にこなしながら、威厳のある表情もコミカルな表情もばっちり魅せてくれます! 還暦を過ぎても、俳優のみならず、監督、プロデューサーと多彩な活動を続け、2016年に映画業界の発展に寄与した人物に贈られるアカデミー賞名誉賞を受賞したジャッキー。これからもますます映画界で活躍し、ファンを魅了し続けてほしいですね。 |
中国では本作を“抗日映画”とジャンル分けする人もいるとかで、私も少しだけ覚悟をして観ました。しかし、戦いのシーンはあくまでコミカルにファンタジーとして描かれていて、悪意を感じるものではありませんでした。さらに、“レイルロード・タイガース”のメンバー達が戦う理由も、家族や身近な人が日本軍の攻撃で亡くなっていたり、純粋な愛国心であったりと、敵とか味方とかに関係なく人として共感できるもので、漠然とした嫌日表現などはなかったように思います。ただし、デート相手の政治的思想などによっては、手放しに「おもしろかったね!」とはならない可能性もあります。恋人に限らず、誘う相手をしっかり見極めてから観に行くほうが良いでしょう。 |
老若男女が観ても楽しめる作品で、キッズやティーンにももちろんオススメです!ただし、前述したように日本人が敵役として描かれていますので、キッズからみれば「ジャッキー達は日本人が嫌いなの?」とか、「この日本人は悪い人達なの?」といった疑問や悲しみを感じることもあるかも知れません。しかし、戦時下が舞台となるエンタメ作品では、“自国=正義、敵国=悪”という構図で描かれることは珍しいことではなく、それは日本の戦争映画も同様です。子ども達が疑問をもったときに、憎むべきは戦争そのものであり、視点を変えれば正義と悪が逆転することもあり得ることを、大人として説明する必要があるかも知れません。 |
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2017.6.14 TEXT by min