2014年4月19日より全国公開
KADOKAWA
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観る前はなんとなくコリン・ファースが演じるエリックとニコール・キッドマンが演じるパトリシアの2人が演じるカップルの恋愛がメインのお話なのかと思っていましたが、実際に観たら予想に反した驚きの実話を基にした物語でした。恋愛の要素もありますが、そこがメインというよりはエリックが戦争中に体験したトラウマに、妻パトリシアと共に向き合っていくのがメインのお話です。 この作品で取り上げられているのが、第二次世界大戦下の日本軍がイギリス人やオーストラリア人を捕虜としていたときの話で、日本軍が過酷な労働をさせたり、拷問をしたりするシーンもあるので、観ていて心苦しくなる場面もありました。日本は確かに戦争で受けた被害も大きいのですが、私たちが知っている以上に日本もほかの国に対しては加害者になっていたことを改めて痛感させられました。また本作には真田広之も出演しており、日本軍の通訳だった永瀬役を演じています。永瀬はあくまで通訳という立場であり、兵士として直接的に捕虜たちに手を下す立場ではなかったのですが、言葉で話すのは永瀬で、捕虜たちからすると兵士も通訳も変わらない存在なので難しい立場だと思いました。真田広之自身が今回どういう気持ちでこの役柄を演じていたのかも気になります。 確かに胸が痛くなる場面もありますが、知っておくべき事実があることと、さらに戦争から何十年も経ってからのエリックと永瀬の関係が描かれるのも本作の見どころです。トラウマと向き合うことは困難なことですが、本作を観ると向き合ってみようかなという勇気ももらえます。ぜひ観てみてください。 |
戦争のお話が絡むので、少々重いシーンもあることはわかった上でデートに誘いましょう。恋愛の視点から本作を観てみると、エリックとパトリシアの出会いがすごく運命的だったり、トラウマを抱える夫を支える妻がすごく献身的で素敵な女性なので、特に夫婦で観ると共感できるところがあると思います。観終わったら一緒に戦争のことについて考えてみるか、夫婦愛について語ってみても良いと思います。 |
戦争の勉強をすでにしているキッズなら観ても良いと思います。でも日本軍による拷問のシーンなどがあるので、もし観るのであれば大人と一緒に観ることをオススメします。高校生以上のティーンは、誰に感情移入をして観れば良いのか迷ってしまうかも知れませんが、各キャラクターの過去の経験や今の心情を汲み取りながら観てください。戦争体験者のそれぞれのトラウマとの向き合い方、苦しみや憎しみ、悲しみをどう断っていくのかを見届けましょう。戦争を繰り返してはいけないということを再認識することはもちろん、エリックと永瀬からはきっと勇気がもらえますよ。 |
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2014.4.9 TEXT by Shamy