2010年10月22日より全国公開
東宝
公式サイト
映画のキャッチコピーでは日本版ロミオとジュリエットと謳われていましたが、それよりも野生の女性と人間社会で地位のある男性の恋愛という感じでちょっと想像していた内容と印象が違いました。身分の違いももちろんですが、そもそも大自然に囲まれた山で育った女と家来たちに囲まれた生活をしている男は、愛はあっても環境的に同じ暮らしをするのは困難という壁がまずあって、さらに身分の違いが決定打として二人を裂いてしまいますが、すごく現実的に鑑賞してしまった私は「そりゃ、そうなるよね」という冷静に感じてしまい、悲恋に涙するほどではありませんでした。でも、まだまだ純粋に恋愛に理想を持っている若い女性はキュンとするんだろうと思います。あと意外にキスシーンが多いのは驚きました。蒼井優が演じる雷が泣くシーンは「その顔大丈夫?」っていうくらい激しく泣くのですが、そんな野性的な面を精一杯演じている姿勢はすごいなと思いましたし、キスシーンが多いのも本能で愛するという部分の表現ならば納得です。あとは良い意味で綺麗すぎないキャラクターにしているのはうまい点だと思います。全体的にストーリー自体はよくある話という感じでしたが、要所要所うまいなと思うシーンがあり、ラストのシーンで斉道が叫び返す言葉は一言で斉道の真意をついているようで見事と思いました。 |
これはウブなカップル向けのデートムービーでしょう。現実的な恋愛のあれこれを知経験済みの方は冷静に観てしまいがちなので、純粋にこの恋愛ドラマに浸れないかも知れませんが、「愛さえあれば…」という純粋な思いを持っているカップルならばこの悲恋に二人で涙して、盛り上がるんじゃないでしょうか(ほんまかいな・笑!)。逆に「愛だけじゃだめなのか…」と盛り下がっても困りますけどね。ま、所詮映画ですからここはロマンチックな雰囲気に包まれてみても良いと思います。あとはあまりにも障害がなくくっついたカップルは「この人たちから比べたら私たち幸せね」ってことで刺激をもらいに行くのも良いですね。 |
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2010.9.30 TEXT by Myson