2016年4月22日より全国公開/R-15
20世紀フォックス映画
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作品を出す度、映画賞レースを賑わすアレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ監督。『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』(2015)に引き続き、本作でも2016年度アカデミー賞監督賞に輝きました。そして、イニャリトゥ監督作は出演者も多くアカデミー賞受賞に導いてきましたが、今作ではレオナルド・ディカプリオが長年の念願を果たし主演男優賞を受賞。役者の演技力を存分に発揮させる作品を作る監督だということは、これまでの功績で明らかになっていますが、本作でディカプリオの演技を観れば、彼が活き活きと演技をしているのは誰にでもわかると思います。物語の序盤から、巨大なハイイログマとの対決シーンに度肝を抜かれますが、虫の息ほどしか残っていない瀕死状態の男が、息子のために再び立ち上がる強さを、ディカプリオが好演しています。この男臭いディカプリオがすごく素敵で、私はレオ様と呼ばれていた昔の王子キャラよりも今のゴツゴツした男らしいディカプリオのほうが好きです。同時に素晴らしい演技をみせていたのは、トム・ハーディ。どんな手を使ってでも生きようとする男の執念を見事に演じていましたが、やっぱりトム・ハーディはすごい役者ですね。いつも期待を裏切りません。復讐に燃える男のストーリーはいたってシンプルなのですが、ここまで見応えがある作品に仕上げてしまうキャストとスタッフを尊敬します。正直なところライトユーザーにウケる作品ではなさそうですが、映画という芸術の凄さをより多くの人に知ってもらえる作品だと思います。 |
痛々しいシーンがいくつか出てくるので、激しいシーンが苦手な相手は誘わないほうが良いでしょう。とても人間臭い映画で、ロマンチックなムードにはなりません。映画好きにはオススメの作品なので、映画好きカップルには良いですが、年に数回しか映画を観ないカップルには敢えてオススメとは言えません。映画としては本当に見応えがあるので、映画好き同士で観るか、1人で観て浸ってください。 |
R-15なので15歳未満は観られません。ティーンの皆さんは、主人公の息子やその友人の目線で観ると、同世代の感覚なので感情移入しやすいでしょう。息子のために奮闘する父親の姿や、命を賭けて父を守ろうとする息子の勇姿に、ぜひ注目してください。家族の存在がいかに生きる上で大切かを感じられると思います。また、種族の精神や繋がりについてもよく観察してください。現代の日本人がこういう感覚を体感する機会はありませんが、本作を観て、自分のルーツについても興味を持って、調べてみるとおもしろいと思います。 |
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2016.3.22 TEXT by Myson