2011年7月23日より全国公開
東宝
東日本の震災で家族同然の動物を被災地に残したまま避難せざるをえなかった方々も多いと思いますが、動物と離ればなれになるという事態が飼い主と動物のお互いにとってどれほど大きいことなのかが結構具体的に描かれていました。私も犬を飼っていたのでいろいろな気持ちが蘇りました。大人になって私が東京で暮らすようになって長期間会わずに実家に戻ってもちゃんと覚えているし、本当に家族の一員でした。なのでロックのお母さんであるハナがいなくなったときにばあちゃんが言うセリフもすごくよくわかると思いました。 あと犬と少年だけでなく家族の物語という点が良かったです。麻生久美子が演じるかあちゃんのキャラがかわいくて頼もしくて共感しました。姑にも遠慮無く接する姿は世のお嫁さんたちにはお手本となりそうです。 そして、どんな状態になっていたとしても島に帰りたいという思いの強さは計り知れず、第三者が思うほど「避難して別の土地で新しい生活を始める」なんてことは解決にならないし、簡単なことではないんだなと改めて思いました。ご本人たちにとっては大変だけれど、何年かかっても故郷に帰るために頑張るっていう郷土愛はすごく素敵だなと思いました。 |
佐藤隆太と麻生久美子が演じる夫婦がとても良い関係で素敵です。少年と犬のお話としても楽しめますが、この夫婦のやりとりも結構おもしろいし、感動する部分もあります。子どもと犬が主人公ってだけで泣いてしまいそうな映画だというのはわかると思いますが、まだこの人の前で泣きたくない、泣けないと思ったら、友だちと一緒に行くなどが良いかも知れません。でもこれは家族の愛を描いた作品なのでぜひ大好きな誰かと観て欲しいと思います。 |
©2011 フジテレビジョン 東宝 FNS27社
2011.7.9 TEXT by Myson