2015年4月25日より全国公開
ワーナー・ブラザース映画、オフィス北野
公式サイト
北野武監督の極道映画のなかでは、特に誰にでも観やすい作品となっています。70歳になる主人公の龍三と、かつての子分たちが組を再結成するのですが、この年齢がターゲットにされがちな悪徳商法の数々がストーリーに散りばめられていて、龍三たちはそれを仕掛けるほうではなく、仕掛けられちゃうほうであるという設定がとてもユニークで何だか微笑ましかったです。とはいえ、龍三達も所詮極道なので汚い手でお金を稼ごうとするのですが、安田顕が演じる西が君臨する京浜連合という若手組織と対比して、裏社会のビジネスのやり方が時代とともにいかに変化してきたかを浮き彫りにしています。殺し方についても同様で、とにかく時代の変化を客観視できるストーリーでしたが、人ととしての在り方、美徳さえも時代とともに変化しているというメッセージを強く感じた内容でした。 それなりに暴力シーンはありつつも、観ていて目を覆うほどの痛々しいシーンもなく、コメディ要素が強いので、ハラハラドキドキさせられたかと思うと笑っちゃうシーンに急に転換します。たとえ極道であっても、現役を引退しちゃうと皆同じようになってしまうのかなという切なさも満載でしたが、ポンコツながらに必死で仲間のために戦うおじいちゃんたちの姿には共感せずにいられません(笑)。腕力や知恵は若者に負けたとしても、執念は負けてませんね。長い年月を生き抜いてきたおじいちゃん達の大胆不敵な奮闘ぶりに元気と笑いをもらえる作品なので、女子にもオススメできる映画です。 |
一見デート向きに思えないかも知れませんが、余計なことを全く考えずに観られるコメディ映画ですので、どんなカップルにもオススメです。極道ものには、エロいシーンも付きものですが、本作には全くそういうシーンもありません。露骨に痛々しい暴力シーンなども映らないので、普段こういうタイプの映画を観慣れていない方でも大丈夫だと思います。笑いがとてもわかりやすいので、二人の中を和ませてくれるはずですよ。 |
極道映画は暴力的で怖いし、子どもが悪いことを覚えたら困ると思ってしまいますが、この映画はそういう心配はなく、キッズもティーンも観て問題はないと思います。極道の格好を観ただけで怖いと思ってしまう年齢のキッズは別として、映画がフィクションであることが理解できる年齢なら、普通にコメディ映画として楽しめます。あと、龍三が義理や人情を大切にする姿はある意味お手本にもなりますよ。時代のギャップがテーマになっているので、ぜひおじいちゃんを誘って、鑑賞後に今と昔の話をネタにいろいろと語ってください。 |
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© 2015『龍三と七人の子分たち』製作委員会
2015.4.20 TEXT by Myson