2011年3月5日より全国公開
東映
公式サイト
数年前に話題になった実在の犬“わさお”を主人公にした物語ですが、わさおが特徴的な犬なので、吹き替えの犬を出演させるわけにもいかなかったのか事情はわかりませんが、わさお自身が出演し、演技にチャレンジしています。もちろん訓練した犬でもなければ半分野生の犬なので、演技どころではないと思われますが、見事に演じたと資料には書いてありました。で、その姿を見たところ、たしかにわさおはよくやってますね(笑)。ただし、やはり撮影方法でカバーしたのだろうと思える部分も正直あります。それでも、もともと野犬で訓練していないことを考えると「このシーンはどうやって撮ったんだろう」と思えるシーンがたくさんありました。そんなところも楽しめる映画です。 そして本筋の部分ですが、ストーリーはわさおがもともと捨て犬だったということから、オリジナルで作られたようです。感動的な要素も含まれていますが、展開が遅いのか早いのか、ちょっと物足りない感じでした。町の人たちがわさおの存在に気づくまではもっと早くて、地元の人気者になる過程をもう少し詳しく描いて欲しかった気もします。あとはわさおの大きさが最後までピンとこず、ようやくエンディングで薬師丸ひろ子と並んで座るシーンが映り「やっぱり大きいんだ」とわかりましたが、もっと早めにそれが実感できるシーンがあれば、わさおがいかに他と違うか、熊と間違えられるほどのものかが想像しやすかった気がします。そうそう熊と言えば、登場する熊があまりにも作り物的でした(笑)。 と、まあ辛口になってしまいましたが、犬好きとしてはわさおの可愛さだけで充分ですけどね。 |
デートムービーとしては可もなく不可もなしというところです。最後にはちょっとほろっとしたり、友達に近いカップルならこういう映画の方が無難だし、動物の話題なら初デートでもそれなりに会話もしやすいので良いかも知れません。ストーリーはそこそこありそうな話ですが、わさおの性格や風貌は愛着が湧いちゃう個性があるし、不自然な熊も登場するし、ちょっと別の角度から楽しめて、観終わったあとに話題は広がるかも知れません(笑)。 |
©2011「わさお」製作委員会
2011.2.27 TEXT by Myson