2012年6月6日リリース
レンタル同時(左記ジャケットはセル用ブルーレイです)
カルチュア・パブリッシャーズ
2011年12月17日より全国公開作品
配給:ファントム・フィルム
公式サイト 予告編
あっけらかんと生きているように見えて、恋愛に臆病な主人公が、余命わずかと告げられ、本気の恋と向き合うストーリー。この手の物語は「どうせ死ぬんだから今から恋をしたって仕方がない」という展開が多いけれど、これは逆です。死ぬと言われるまでの生き方が自暴自棄になっている女性なので(きっと無意識に)、死を目の前に自分の本心に向き合って、満足のいく生き方をしようとする物語です。観ていて思ったんですが、この主人公マーリーは快活に見えて、実はいろいろなことに疲れてるんですよね。表向きはとても明るく幸せに見えるけれど、見ようによっては開き直っている感じ。さらに強気に見えて実は臆病。だから、それまでは困難を見ないように生きています。でも、こういう人の方が世の中には多いんだろうな〜って思いました。人は何か起きないと変われないのかも知れないですね。自分だったら、死ぬ前の最後のお願いは何を求めるんだろうとも考えました。自分に正直に生きてるのかな〜とか。あと自分が周囲の人より先に死んでしまうとき、こんなにいろいろとできるだろうかとか。 一番感動したシーンは、最後にマーリーが自分が亡くなった後のジュリアンを心配するシーン。ジュリアンのあの返しはイキでしたね。余計なことを言うのではなく、ああいった方法で「自分は大丈夫」と伝えるセンス。あの男はできる男だなと思いました(笑)。それと友だちそれぞれに合った方法でお別れを告げているのにもグッときました。同じ親友でも相手はいろいろ。私も自分の親友の顔をいろいろと浮かべて、登場人物のタイプに当てはめて観ていると、まだ死なないけどすごく感謝の気持ちが湧いてきました。そして、母親とのやりとり。母は娘を心配しているんだろうけど、娘も母を心配しているという構図。よくわかります。 というわけで、設定は自分の日常とはかけ離れてはいますが、いろいろなことを自分に置き換えて考えるきっかけがあった作品でした。ラブストーリーとしても、人間ドラマとしても、いろいろと感じることのできる作品です。 |
大好きな人とぜひ観て欲しい作品なので、好きなんだかわからない相手や、もう冷めている相手とは観に行かないで欲しいですね。相思相愛の人でないと、片方だけが盛り上がってしまっても困るかも知れません。お互いに大事な人と思っているカップルは、この作品を観てより相手を愛おしく思えるか、試してみましょう。恋人に死が迫っているとき、あなたはどうしますか?主人公の望む“最期”を、彼はちゃんと受け止めているというのがこの作品の素敵な点です。お互いに辛くても、大事な人が望むものが何なのかを理解できたら、二人の関係はホンモノなんでしょうね。 |
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2011.11.3 TEXT by Myson