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2013年12月13日より全国公開作品/PG-12 © 2012 Paco Cinematografica srl. |
『鑑定士と顔のない依頼人』 |
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優秀な鑑定士であり、オークショニアである主人公ヴァージルは、生身の女性と交際したことが無い様子で、趣味は女性の肖像画のコレクション。潔癖症で孤独を好む彼は、“3次元”の女性が苦手です。彼は美術品の目利きには長けていて、本物と贋作との違いを見分ける術を持っており、「贋作者は必ず痕跡を残す」と語っています。そんな彼が初めて女性に興味を示します。彼は彼女の嘘に振り回されながらも、彼女に惹かれていきます。 |
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鑑定士としてホンモノとニセモノを常に見極めるという仕事をしているヴァージルは、美術品の分野にかけては一流。他者なら本物と判断しかねないほど精巧にできた贋作も見抜きます。ホンモノとニセモノがキーワードとなる本作ですが、「愛についてはどうなのか?」というのも1つのテーマです。今まで肖像画の女性しか愛してこなかったヴァージルは、初めて生身の女性との現実的な恋愛を体験します。でも、その女性は問題を抱えていて一筋縄ではいきません。彼女に振り回されるヴァージルは、彼女の問題を解決しようと奮闘します。ホンモノの愛、ニセモノの愛って一体どういうことなのかを考えるのに良い題材の作品です。ラストで「見た目の結論」は出ますが、どう解釈するかは、観る人の価値観に寄り変わってくるのが本作のおもしろいところです。 |
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TEXT by Myson