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『喰女-クイメ-』 2014年8月23日より全国公開 © 2014「喰女−クイメ−」製作委員会 |
『喰女-クイメ-』 |
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主人公の後藤美雪と長谷川浩介は共に俳優で恋人同士。2人は「真四谷怪談」という舞台で共演しています。美雪はほかの共演者に言い寄られてもなびくことがなく、浩介に一途。女優としても成功しているようで、家事もできる女性。普通なら男性は彼女に夢中になりそうですが、浩介は美雪に嘘をついて共演者の若い女優と浮気をしたり、ほかの女性に目移りしがち。薄々とそれを感じ取ってるのか、美雪の不安がどんどんと膨らんでいきます。そうして、実生活と舞台で演じている“四谷怪談”の物語の世界がリンクしていくのですが、恨み辛みを浩介に直接ぶつけるのではなく、美雪が自分のなかでどんどんと不安を募らせ、浩介への執着を増していくのが、逆に怖いです。 |
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容姿は美しく、性格は家庭的で真面目、モテるのに一途という、男性にとっては十分な魅力を備えている美雪。彼女のような高嶺の花的女性は、恋愛関係がうまくいく場合は自慢の彼女、奥さんになるのでしょうが、こじらせるとかなり厄介。自覚があるかどうかは別として、どこかで絶対にプライドも高く持っているはずなので、相手への愛ゆえか、プライドを傷つけられた復讐心ゆえか、他の女性に負ける屈辱からくる執着ゆえかはわかりませんが、彼女の扱い方を間違った男はきっと偉い目に遭うはずです。この場合、もしかすると彼女と別れること自体が難しいのかも知れません。彼女のなかに別れるという選択肢がない可能性もあります。高嶺の花じゃなければ簡単に捨てて良いということではもちろんないですが、自他共にレベルが高い女だと認める女性と付き合うのはいろいろな意味でそれなりの覚悟が必要なのかも知れないですね。そう考えると、女性が気を付けなければいけないのは、男性に「重い」「怖い」と思わせないこと。一旦そういう思いをさせてしまうと、相手の恋心も一気に冷めてしまいます。 |
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TEXT by Myson