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『博士と彼女のセオリー』 2015年3月13日より全国公開 © UNIVERSAL PICTURES |
『博士と彼女のセオリー』 |
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天才物理学者スティーヴン・ホーキングと、詩を学ぶジェーンは、出会ってたちまち惹かれあいますが、2人の距離がこれからもっと縮まろうとしていた矢先、スティーヴンは難病ALS(筋委縮性側索硬化症)を発症してしまいます。脳は働くけれど、徐々に身体の自由が奪われ、言葉を発することも難しいと言われたスティーヴンは失意のどん底に。でも、ジェーンは彼と残された短い時間を共に過ごそうと、愛を誓いあうのですが…。 |
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本作のキーワードとなるのが、“時間”。余命わずかと宣告されたスティーヴンと、そんな彼に最後まで寄り添うと誓ったジェーン。でも、幸いなことにスティーヴンは宣告された期限を越えて、生き続けます。とはいえ、病状は悪化していくばかりで治るわけではなく、2人の生活には制約がつきまといます。そういった時間が長くなるにつれて、愛情と忍耐のバランスが崩れていきます。もちろん、ジェーンはスティーヴンを愛していますが、介護や制約された生活に耐えうるか耐えられないかを考えるとき、期限があるかないかというのでだいぶ状況は変わると思います。さらに、彼らが出会ったのは大学生の頃。これからどんどん大人になってお互いに変化を遂げる時期です。そんな時期にやりたいことをできたかどうかとお互いの人生を振り返れば、溜まってくるものもあるでしょう。大人になりきれていなかった2人が出会ったタイミングと、2人で過ごした時間の長さ…。こんな風に時間は恋愛に影響を及ぼすんだな、結婚ってそういうことなんだなと、とつくづく思える作品です。 |
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TEXT by Myson