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『高台家の人々』 2016年6月4日より全国公開 ©2016 フジテレビジョン 東宝 集英社 ©森本梢子/集英社 |
『高台家の人々』 |
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主人公の平野木絵は口下手で、妄想癖がある女の子。そんな彼女は、自分の気持ちをうまく伝えられずにこれまでの恋愛では苦労してきました。それが、テレパシーを持つ高台光正に出会ったことで、言葉に出さなくても考えていることをわかってくれるため、恋はスムーズに進んでいきます。でも、この時点で光正がテレパスだということを木絵は知りません。だからこそ、木絵は今までどおり、自由に妄想し、その妄想のおもしろさを光正も楽しんでいます。ところが、2人の関係が深まり、高台家の一員になろうかという話が出てきたところで、事情がどんどん変わっていきます。 |
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自分がテレパスだと彼女に告げるべきか迷う光正。でも、相手に心が読まれていることがわかってしまうと、木絵は今まで通りというわけにはいきませんよね。この後のいきさつは映画を観て頂ければと思いますが、そもそも相手の心が読めないのが普通。テレパスは、言葉で聞かなくても相手が自分に好意があるとわかればアタックしやすいし、黙って悩んでいたり怒っていれば、それを察知して対処できるというメリットはあります。でも、一方で自分に都合が悪いことが見えてしまったら、それ以上踏み込む勇気を持つのは難しいこと。光正の恋愛以外に、妹の茂子、弟の和正の恋愛にも、周囲の人の心が読めてしまうからこそ躊躇したり、余計なことを考えてしまう苦労が描かれていますが、そこには恋愛においてのヒントが隠されています。 |
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TEXT by Myson