『シックス・センス』で世界を震撼させた天才…と思って毎回期待させながら、たまにハズしてしまうシャマラン監督。でも、なぜか期待を裏切られても毎回気になるシャマラン監督作。今回は『エアベンダー』公開を機にシャマラン作品を紹介します。
『エアベンダー』
2010年7月17日より劇場公開中
2009・米
監督:M.ナイト・シャマラン
出演:ノア・リンガー/デヴ・パテル/ニコラ・ペルツ
パラマウント ピクチャーズ ジャパン
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気・水・土・火を司る国には、それぞれの力を操ることができるベンダーがいた。そして4つの力を全て操ることができるベンダーがたった一人おり、アバターとして全ての国のバランスを保つ役割を果たしていた。だが、ある日アバターは姿を消し、100年間アバター不在の時代に…。その間、火の国が他国に侵攻し、人々の平和は失われつつあった。そんなとき、謎の少年が突如現れ、気のベンダーである彼がアバターであることがわかるが…。
設定は哲学的な要素も感じられてとても魅力的なのに、すごく軽い感じで展開していきます。壮大なストーリーがトントンと進められるのは、セリフで状況を説明しているシーンが多々あるからだと思われますが、水の国の王女と一人の青年のロマンスに関しては、語り手の一言で片付けられたり、あまりに大胆にすっ飛ばして展開していくので、逆に爽快で笑ってしまいました。
太極拳のような動きで技を繰り出すキャラクターも、「どうだ!かっこいいだろう」というつもりで作ったのかしらと思いながらちょっと意地悪に観てしまいましたが、せっかちな私からすると「そんなちまちま動いているうちに攻撃されちゃうよ」と思ってしまい、それも相当笑えました。
クライマックスの水の技を使うシーンはまあまあ盛り上がりますが、思ったよりも火の技の勢いが弱かったり、ボールくらいの水で戦ったりで、わざわざ3Dにしなくても良かったような…と思いましたが、このご時世だから仕方ないんでしょうか?
ちょっと辛口評ですが、個人的にはシャマランの頑張りは伝わってきて、共感できました。とにかくおもしろくしようとはしたんだろうなと思いましたが、ちょっとズレちゃったんですかね?それともこれが狙いなのか?それはそれでアリだと思いましたが、いろんな意味で楽しい映画ではあります。
1970年8月6日生まれ。インドの医師の家系に生まれたが、幼少時にアメリカに移住。8歳頃から8oカメラを使って映画を撮り始めた。
29歳のとき『シックス・センス』で注目を浴び、その後も大きな期待を受けながら作品を排出し続けており、現在、世界で最も脚本料が高い脚本家と言われている。
また、彼は自分の作品に脇役として出演することでも有名。
幼い頃からスティーブン・スピルバーグに憧れて、映画を撮るようになったようだが、『インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国』では一時脚本制作に関わっていた。だが、当時『サイン』の構想が頭にあり動き出そうとしていたこともあり辞退したと言われている。
私もまだ観ていない作品があるので、アリかナシか確認したいと思います。どっちにしてもなぜか気になるシャマラン監督。これからも応援しようと思います。
2010.7.28 TEXT by Myson