ミン:
川口春菜さん演じるマキとのデコボコなコンビ感が観ていて楽しかったです。共演された感想をお聞かせください。
林遣都さん:
春菜ちゃんも僕も演じた役と実際の中身は全然違うんですけど、関係性は役に近いものがありました。春菜ちゃんはおもしろいことを言ってきたり、イタズラしてきたり、すごくお茶目な部分があって、それに僕が振り回されているうちに自然と仲良くなれたという感じで。すごく接しやすかったです。
ミン:
ほんと、渚とマキの関係性に近いですね(笑)。淵上泰史や真剣佑さん、RIP SLYMEのSUさんら個性的なキャストも本作の魅力ですが、撮影現場の雰囲気はいかがでしたか?
林遣都さん:
撮影中は、みんなひたすら真剣でした。草野監督の熱意がすごく強かったので、自然とそういう雰囲気になりましたし、全員がいい作品になることを信じて、それぞれの役の深い部分に向き合っていたという感じでした。
ミン:
林さんのお話の節々から現場の熱が伝わってきます。では、林さん自身が一番印象に残っているシーンやエピソードを教えてください。
林遣都さん:
原作には、渚の生い立ちや過去のいきさつも描かれていますが、映画では、その部分に深く触れてはいないんです。じゃあ、渚の背景がどこで垣間見えるのかということを監督と話し合ったときに、渚がマキの家族の団らんを目の当たりにして、どんな気持ちになるだろうっていう話になって。マキの両親に「娘をよろしく」と言われても、そこには100パーセント応えられない自分がいる。そこで「ああ、自分は普通ではないんだ」と改めて感じる。その瞬間があのシーンに集約されていると思ったんです。撮り終わったときに監督が「すごく切なく悲しい、意味のあるシーンになった。正直、撮影前にはこういうシーンになることを想定していなかった」っておっしゃって。あの場面では、誰のなかにもある人間らしさを渚として残せた気がしています。
ミン:
現場で作り上げたシーンだったのですね。最後に、これから本作を観る方にメッセージをお願いします。
林遣都さん:
この作品には、ユニークで魅力的な人間がたくさん出てきます。みんな何かに悩んでいますが、そんな人たちが出会うことで、互いに補い合ったり、さらけ出し合ったりして、幸せな関係や愛情を生み出していきます。きっと誰にでも当てはまるところがある、いろいろなカタチの愛が詰まった作品です。ぜひご覧ください。
2016年7月8日取材&TEXT by min
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2016年9月10日より全国公開
監督:草野翔吾
出演:川口春奈/林遣都/淵上泰史/桜田ひより/真剣佑/SU/中野英雄/石野真子
配給:エレファントハウス
キャリアウーマンの江田マキは、容姿端麗だけど野菜嫌いなガサツ女子。ある日、男子校で美術教師をしているイケメンの片山渚と出会い、一方的に恋に落ちる。新しい恋愛と同居相手を探していたマキは、渚の家に転がり込むことに。しかし、渚はベジタリアンで、しかもゲイだった!? それでも、渚の作る野菜たっぷりの料理に癒されていくマキ。マキが野菜嫌いの原因となった父親との確執。家族との過去を乗り越えられず苦しんでいる渚。それぞれが抱える問題を解決していくうちに、お互いが“大切な人”に変わっていく…。
公式サイト 映画批評&デート向き映画判定 イイ男セレクション/林遣都
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