直木賞作家、奥田英朗の人気小説「純平、考え直せ」を実写化した本作で主演を務めた、野村周平さん、柳ゆり菜さんにインタビューをさせて頂きました。とてもパンチ力のある作品で、お2人の演技力も見どころの一つです。お2人の今回のお話からも、その真っ直ぐさが伝わってきて、本作のキャラクターとシンクロして感じました。
PROFILE
坂本純平 役:野村周平
1993年11月14日生まれ、兵庫県出身。2010年に俳優デビューし、2012年、NHK連続ドラマ小説『梅ちゃん先生』に出演し注目を浴びる。以後、映画、ドラマ、CM等、幅広く活躍。主な映画出演作は、『日々ロック』(2014)、『映画 ビリギャル』(2015)、『愛を積むひと』(2015)、『ライチ☆光クラブ』(2016)、“ちはやふる”シリーズ(2016-2018)、『サクラダリセット前篇 / 後篇』(2017)、『帝一の國』(2017)、『22年目の告白-私が殺人犯です-』(2017)、『ラブ×ドック』(2018)など。2018年11月1日(木)には主演映画『ビブリア古書堂の事件手帖』が公開予定。
加奈 役:柳ゆり菜
1994年4月19日生まれ、大阪府出身。2013年、smart Boys&Girlfriendオーディション特別賞受賞を機にデビュー。2015年に初めて『週刊プレイボーイ』が調査した“グラビアアイドル表紙登場回数ランキング”(主要20誌が対象)では、上半期1位(13回登場)となり、”初代グラビアクイーン”の座を獲得。女優としては、2014年、NHK朝ドラ『マッサン』23話で半裸モデルを演じて注目を浴び、同年、映画『うわこい』で主演。その他、主な映画出演作は、『呪怨−ザ・ファイナル』(2015)、『チア☆ダン〜女子高生がチアダンスで全米制覇しちゃったホントの話〜』(2017)、『破裏拳ポリマー』(2017)などがある。2018年は本作の他に、『ここは退屈迎えに来て』の公開が10月19日に控えている。
——台本を読んだ時の印象と役に対する印象は?——
柳ゆり菜さん:
台本を読んだ時は、加奈が羨ましいなって思いました。何か見つけてというか、純平に出会って、人生が始まっていくじゃないですか。21歳くらいの設定で、撮影の時は加奈と同い年だったので、こんな出会いを21歳でできるなんてって思いましたね。この役は女優冥利に尽きるし、女としてもすごく幸せだなって思いました。
野村周平さん:
台本を読んで、率直にこういうお話を僕に相談いただけたのが嬉しかったですし、読んでいてもすごくおもしろかったです。軽い映画じゃないというか、メッセージの強い映画なので。純平は素晴らしく真っ直ぐですよね。最近は絶対いないような、鉄砲玉とか、任侠とか。兄貴分に裏切られるけど、理想を求めて突っ走るなんて素晴らしいし、カッコ良いですよね。
マイソン:
純平も加奈もカッコ良いキャラクターですよね。お互いのキャラクターに対して、ここがすごく惚れるというポイントを教えてください。
野村周平さん:
あの目で見つめられたら惚れるよ。
柳ゆり菜さん:
どのシーン?
野村周平さん:
足を洗っている時の。すごく可愛かったじゃん。
柳ゆり菜さん:
ぶりっこしていて(笑)、確かにね。純平は、あれは惚れますよね。すごく刹那的じゃないですか。次の日にはいなくなっちゃうんじゃないかみたいな、夢なんじゃないかなって気持ちにさせる人ってすごく魅力的だし、その人との時間をすごく大切にしたいと思うし。この人と同じ時間を生きたいなというか、同じリズムで歩きたいって思うんじゃないかなって、私は思いますね。
マイソン:
それは今をすごく一生懸命生きているからですか?
柳ゆり菜さん:
そうですね、今を生きているところとか、すごく男らしい真っ直ぐなところとか。命を大切にしていないわけではないけれど、命なんてくれてやるっていう潔さとか、そういう男性としての魅力を感じますね。最近の男子にはない男らしさだなって(笑)。
マイソン:
確かにすごく男らしいですよね。野村さんはキャラクター的に加奈の魅力はどういうところだと感じましたか?
野村周平さん:
天真爛漫じゃないですか。純平みたいな男に付いてきて、興味津々で向上心があるところが、やっぱり可愛いと思うんじゃないですかね。「なんだ、こいつ?」みたいな(笑)。
柳ゆり菜さん:
「なんだ、こいつ?」って子は可愛く見えてきたりするもんね。
野村周平さん:
そうそう。
マイソン:
それは突っ走っていくところとかもですかね?わりと2人とも捨て身だなって思ったのですが。
野村周平さん:
「気合い入っているな」みたいな。そこが良いっていうか、あと3日しかないし、やってやろうじゃないかみたいな感じですね。なっ?
柳ゆり菜さん:
なっ(笑)。
——演じる上で特に気を付けたこと、向き合ったことは?——
野村周平さん:
これが10年近く(来年で10年なので)やってきた証しです。生半可な年月じゃなかったと思います 。僕の技、培った技です。あとは台本ですね。台本にそう書いてあると、僕はそうなるので、そのなかで生きているって感じですかね。
柳ゆり菜さん:
20代のあまり夢とか目標がない女の子が観た時に、自分を投影できるというか、「うわ〜、嫌だ、観たくない」と思えるほうがラストの展開が痛々しくもなるし、とても幸せにもなるから、最初はあまり魅力的な女の子を作りたくないなって思いました。魅力的な女の子を作れる自信があったわけではないですが、その作業はきっと純平と出会ってからだから、出会って変わっていくように気持ちを作っていこうと気を付けていたかも知れません。でも最終的にはあんまり何も考えないずに、現場に行ったと思います。後半は野村くんが演じる純平を見てからじゃないと作れないなっていうのがすごくありました。
マイソン:
野村さんは、今のお話からすると、役どころに対して難しいという感覚はなく、直感で演じられているような印象を持ちました。
野村周平さん:
直感ですね。
マイソン:
ここで敢えて聞きたいのですが、今までで難しかったと感じた役はありますか?
野村周平さん:
難しかった役か。全部難しいですが、時が経つと良い意味で慣れるといいますか。最初は難しいんですけど、やれば自然になっていくので、純平の撮影が始まったら純平になるし、違う撮影をやっている時は違う役になるし、逆に台詞が難しいとかは多いですね。刑事役とかで事件名が言えないみたいな。あとは医療ものの台詞とか、何回も言えなくてNGを出したことがありますね…。
マイソン:
確かに刑事ものや医療系は難しい用語が多く出てきますよね。柳さんは今回髪の毛を切ったり、一発勝負なシーンもあったと思いますが、一番苦労したシーン、もしくは印象に残っているシーンってありますか?
柳ゆり菜さん:
スイートルームのシーンは、全部1日というか24時間以上寝ずに通して撮ったんですが、撮影ラスト日だったんですよ。だからっていうのもありますが、幸せだし、しんどいしって、そこは本当に感情が忙しくて。もうめちゃくちゃ大変で、どっと疲れたというか、吸い取られた感じはありました。
マイソン:
でも終わった後は充実感がありましたか?
柳ゆり菜さん:
そうですね。充実感はすごくありました。
スタイリスト 猪塚慶太/ヘアメイク NORI | スタイリスト 福田春美/ヘアメイク 菅野綾香(ENISHI) |
マイソン:
では、俳優をやっていて良かったと思うことはありますか?
柳ゆり菜さん:
好きだから、俳優をやっていて良かったと思う瞬間しかないですけど、哲学を見せるというか、誰かの人生に影響を与えるかも知れないと感じた時に、俳優をやっていて良かったなって本気で思えるんじゃないかなって。そう思えたっていうよりも、そうできたら良いなという気持ちです。
野村周平さん:
俳優をやっていて良かったのは、僕は根が目立ちたがり屋なので、顔と名前を皆さんに覚えてもらえて、街で気づかれて声をかけてもらえることとかですかね。
マイソン:
俳優のお仕事はおもしろいですか?
野村周平さん:
どうでしょうね。仕事なのでもちろん楽しいときもあるし、辛いときもありますけど、楽しいから今までやってこれているんだと思います。
マイソン:
本日はありがとうございました!
2018年8月6日取材&TEXT by Myson
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2018年9月22日より全国順次公開/R-15+
監督:森岡利行
出演:野村周平/柳ゆり菜/毎熊克哉/岡山天音/佐野岳/戸塚純貴/佐藤祐基/藤原季節/日向寺雅人/森田涼花/木下愛華/やしろ優/下條アトム/二階堂智/片岡礼子
配給:アークエンタテインメント
公式サイト 映画批評&デート向き映画判定
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