今回は、『ノーマーク爆牌党』主演の石田明さん、矢本悠馬さんを取材させて頂きました。お笑い芸人としても活躍する石田さん、子役時代から俳優として活躍する矢本悠馬さん。お2人の共通点から、好きなハリウッドスターのお話まで、いろいろお聞きしました。お2人ともあらゆるものや人を観察するにも、着目点が鋭くて、さすがです!
PROFILE
爆岡弾十郎役:石田明
1980年2月20日生まれ、大阪府出身。中学、高校が一緒だった井上裕介と2000年にお笑いコンビ“NON STYLE”を結成。ABCお笑い新人グランプリ審査員特別賞、上方漫才大賞優秀新人賞、MBS新世代漫才アワード優勝、NHK新人演芸大賞演芸部門大賞、上方お笑い大賞最優秀新人賞などを受賞し、2008年に“M-1グランプリ”に輝く。近年は、「雷火」「モニタリンGood! 〜それが大事〜」「幼児・小学生・戦隊ファン向け 夏休み企画 ももたろう」などの舞台で脚本、演出を手掛けている。映画『ノーマーク爆牌党』では、俳優として主演を飾る。
鉄壁保役:矢本悠馬
1990年8月31日生まれ、京都府出身。2003年『ぼくんち』で映画デビュー。連続ドラマ『ブスと野獣』では初めて主演を果たす。2017年放送の大河ドラマ『おんな城主 直虎』では直虎の側近、中野直之役を演じ、高評価を得る。そのほか、ドラマ『ごめんね青春!』、映画『ちはやふる』シリーズなどに出演。また現在は、放送中のドラマ『今日から俺は!!』に出演しており、今後は映画『レディinホワイト』『アイネクライネナハトムジーク』など多数、劇場公開待機作がある。
マイソン:
私は全然麻雀がわからないので、本作に出てくる役(←役柄の意ではなく、麻雀の)がどれくらいすごいのかもわからないまま観ました(苦笑)。対決シーンで出てきた役は、すごい役なんですか?
石田明さん:
めちゃくちゃすごいですよ。「こんな牌くるか?」ってものが結構出てます。
矢本悠馬さん:
一生出てくるかこないかくらいの牌ですもんね。
石田明さん:
だから興奮しますよね。人生においてこんなことってないから、バチバチ気持ちが入っていくんですよ(笑)。
一同:
ハハハハハ!
マイソン:
普段では味わえないおもしろさがあるんですね。
石田明さん:
でもそういういつでも良い牌がくる状態でやっていたからか、大会のシーンで自分の出番じゃない時に、周囲のエキストラの方に混ざって、麻雀をやったんです。そしたらめちゃくちゃ良い牌ばかりがきて、「ヤバイヤバイ」ってなって、実際“役満”がつもって、一番良い“役”で、「あかん、ノリにノッてる!」って思いました(笑)。
矢本悠馬さん:
そんなことがあったんですね。
石田明さん:
本番じゃないところで、すごい爆牌が出ていたんですよ。
マイソン:
じゃあ現場では麻雀そのものも楽しまれたんですね。
石田明さん:
普通に楽しみましたね。
マイソン:
石田さんはお笑い芸人として活躍されつつ、俳優をされていて、矢本さんは子役からかなり長い間活躍されています。一方で、お2人とも劇団の旗揚げなどを経験されていて、作るほうにも興味があるのかなと思ったのですが、いかがですか?
石田明さん:
そうですね。僕は子どもの頃からずっと目立ちたいタイプではないので、最終的には裏方に行こうと思っています。
矢本悠馬さん:
僕も裏方が良いなと思っていたんですけど、こうなっちゃったんで、諦めて表でやっています。
石田明さん:
逆やな(笑)!
一同:
ハハハハハ!
矢本悠馬さん:
気質は表向きなんですけど、ものづくりが好きで、どっちかっていうと、僕が芸人さんだったらネタを書きたいほうなんです。作品を撮ったり、脚本を書いたりしたいけど、今からやったら「役者が、監督業、演出業に、手出しちゃったな」って言われちゃうし、今からお笑い芸人を目指しても、「お笑いをなめんな」って、矢が飛んでくるから、そんな努力は一切したくない(笑)。
石田明さん:
そうだよね。僕が脚本をやり始めた時、あらゆる方角から矢が刺さったよ。脚本も演出も10年以上やってきて、やっと少しずつ認めてもらえるようになった感じ。
矢本悠馬さん:
普通のおもしろさだったら満足できないじゃないですか。圧倒的に全員が「これはすごい!」っていうのを作らないと認めてもらえない環境になっちゃったから、絶対にやらないです。
石田明さん:
素晴らしい(笑)!
マイソン:
まだ顔を広く知られていなければ、やってましたか?
矢本悠馬さん:
そうですね、大人計画に入って、そこでも旗揚げしているんですけど、脚本を書いて演出していくほうが自分の性格に合っていたので、本当は表に出たくないっていう意志がちょっとあったんです。でもNHKの朝ドラや、フジテレビのドラマに出演するようになって、もう裏方には回れないなって諦めが入ってきました。
マイソン:
そうなんですね。石田さんも本当は完全に裏方に行きたいですか?
石田明さん:
そうですね。自分が脚本担当の作品でも、一番しんどい役を自分がやるようにしているだけで、本当は他の人にやって欲しいんです。
矢本悠馬さん:
でも、漫才の時とかめっちゃ器用じゃないですか。ジム・キャリーばりの器用さ!あのテンポで、あの表現でいろいろなキャラクターになるってエグいですよね。
石田明さん:
ジム・キャリーは、僕も勉強したからな(笑)。二重人格の主人公を演じた『ふたりの男とひとりの女』とか、「このテンポか。これ欲しい!」って。
マイソン:
コメディ俳優も結構お笑いの参考にされるんですか?
石田明さん:
そうですね。漫才が上手い人ほど実は芝居を抜くというか、音と台詞回しだけで笑いが取れるんですけど、僕ら(NON STYLE)はそこまで漫才が上手くないから、芝居もちゃんとしようと心掛けました。そうなった時に芝居を観るのはすごく勉強になりましたね。
マイソン:
ジム・キャリー以外で好きなコメディアンや俳優さんはいますか?
石田明さん:
イッセー尾形さんとか、本当にいろいろ観ましたね。演劇もよく観に行きます。演劇は作りがおもしろいから、何気ない一言が後で生きてきたり、そういうことを漫才でも使うようになって。
矢本悠馬さん:
やっぱり目がいくのは構成のほうなんですね。
石田明さん:
そうそう。
マイソン:
矢本さんは好きなコメディ俳優はいますか?
矢本悠馬さん:
ジム・キャリーが1番ですね。僕はジム・キャリーのDVDは全部持っていて、俳優では2番目に好きです。
マイソン:
1番目は?
矢本悠馬さん:
1番目は、ケヴィン・スペイシーです。ちょっと出てきただけでアカデミー賞獲っちゃうような芝居しちゃうから。しかも舞台演出家もやっていて、コメディもホラーもラブコメも全部いけるし、化け物だなって思います。ジム・キャリーとはまた違って、芝居が細かいというか、映画用なんですよね。あまり表情を変えたり動きを作らずに、コミカルだったり、怖く見せたりするので、あれも良いなと思って。
マイソン:
ご覧になるのは洋画が多いですか?
矢本悠馬さん:
全部観ますね。インド、フランス、ベトナムの映画でも、何でも観ます。
マイソン:
やっぱりお2人とも研究が好きというか、構造から知るのが好きなんですね。
石田明さん&矢本悠馬さん:
職業病ですね(笑)。
マイソン:
演技も観るし、演出的に背景とかも気になりますか?
矢本悠馬さん:
そうですね。それこそ台詞とかめっちゃ覚えちゃいますね。芸人さんのコントとか漫才でも、「あ、無駄がないな」とか。そういう作りなんだっていうのを見ちゃいます。それは芝居にも影響するので、アドリブを入れる時にそういうお笑いの人達の台詞は参考にしています。「このワードセンスすごいな。覚えとこう」みたいな(笑)。そうやって盗んでいます。
マイソン:
へ〜(笑)。で、今回お2人とも種類は違うけど、カッコ良い役を演じていましたね。お互いに、すごくカッコ良いって思ったところと、ご自身で最大限カッコつけましたっていうシーンはありますか?
矢本悠馬さん:
爆岡は全編通してほぼほぼカッコつけてますよね(笑)。
石田明さん:
全編、井上(NON STYLE相方)の8倍カッコつけてる(笑)。
一同:
ハハハハ(爆笑)!
矢本悠馬さん:
自分をジョニー・デップだと思って、芝居されていたんですよね。めちゃめちゃキメてたんで(笑)。
石田明さん:
ジョニー・デップでしたからね(笑)。
矢本悠馬さん:
僕はカッコつけるシーンが全然ないですからね。
石田明さん:
そう、カッコつけてないのにカッコ良いのが鉄壁ですよ。カッコつけてるのに「ん?」って思われるのが爆岡ですね(笑)。
矢本悠馬さん:
鉄壁は、基本的に苦しんでるか、人見知りしているかのシーンしかないので(笑)。
マイソン:
ハハハハ(笑)。では最後に麻雀がわからない方でも楽しめる、見どころがあれば教えてください。
矢本悠馬さん:
僕も全然麻雀のことを知らなくてビックリしたんですけど、女性のプロって全員可愛いんです。女の人から見ても綺麗だなって思える色気があったりするので、そこは結構入りやすいのかなって思いました。
マイソン:
それは知りませんでした!麻雀ができる女子って男性から見るとどうですか?
石田明さん:
麻雀ができる人と恋愛したら太刀打ちできない気がしない?
矢本悠馬さん:
そうですね〜(苦笑)。
石田明さん:
行動が先に読まれてるみたいな(笑)。
矢本悠馬さん:
「はい、ツモ」とか罵声をあびせられたら最悪だなって思います。
石田明さん:
ボロが出た時に「ポン」みたいな(笑)。
矢本悠馬さん:
確実に計算的な感じになっていくと思うんですよ。麻雀が強い人を彼女とか奧さんにするのは怖いですね(苦笑)。
マイソン:
ハハハハ(笑)。では、石田さんからも見どころをお願いします。
石田明さん:
この映画は勝ち負けにこだわる話なんですけど、負けたところで本当に負けているわけではない。精神論みたいなものが描かれているので、会社員とか学生にも響く内容で、そこら辺を観てもらえたらすごくスッキリする映画だと思います。
マイソン:
ありがとうございました!
2018年9月14日取材&TEXT by Myson
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2018年10月27日より全国順次公開
監督・脚本:富澤昭文
出演:石田明(NON STYLE)/矢本悠馬/長澤茉里奈/高崎翔太/永田彬/モロ師岡
配給:AMGエンタテインメント
アマチュア麻雀の全国大会で2連覇を成し遂げ、プロ入りが期待されている大学生の鉄壁保の前に、爆岡弾十郎という男が現れる。自らを天才と呼び、傲慢な態度の爆岡は、鉄壁を挑発。周囲からのススメで勝負をした鉄壁だったが、爆岡の強さを思い知らされる…。
公式サイト 映画批評&デート向き映画判定
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© 2018片山まさゆき/竹書房/『ノーマーク爆牌党』製作委員会