今回は、俳優、声優として活躍する小野賢章さんにインタビューさせて頂きました。どちらかというと学生やご自身の実年齢よりも若いキャラクターを演じることが多い小野さんですが、今回の教師役を演じてみての感想や、俳優と声優での演技の難しさなどを聞いてみました。
PROFILE
1989年10月5日生まれ、福岡県出身。子役時代から、舞台、映画とジャンルを問わず活躍。2001年に映画“ハリー・ポッター”シリーズの主人公ハリー・ポッターの吹き替えを担当したのを機に声優活動をスタート。現在(2019年2月現在)放映中のTVアニメ『ジョジョの奇妙な冒険 黄金の風』主人公ジョルノ・ジョバァーナ役や『ゾイドワイルド』主人公アラシ役、さらに2019年3月8日公開の映画『スパイダーマン:スパイダーバース』の主人公マイルス・モラレスの声を担当するなど、実力派声優としても大活躍中。映画『お前ら全員めんどくさい!』では実写初主演を飾る。
マイソン:
今回、女子生徒からいろいろなアプローチを受けていましたが、先生と生徒じゃなかったらキュンとするんじゃないかなと思うシーンがありました。お弁当を作ってくれたり、白衣を着ていたり、メガネをかける&外すとか、こういうのは好きっていうのはありますか?
小野賢章さん:
先生と生徒の関係じゃなくて、普通の恋愛だったらですよね。…突然チューとかされたら好きじゃなくても好きになっちゃいそうな気がしますね(笑)。
マイソン:
ほっぺと口と両方のパターンがありましたが(笑)。
小野賢章さん:
やっぱりほっぺくらいがちょうど良いと思います。
マイソン:
今は肉食女子というか、押しが強い方もいらっしゃいますが、その点はいかがですか?
小野賢章さん:
やっぱり男は肉食女子って嬉しいんじゃないですか。どうなんですかね(笑)。
マイソン:
わかりやすいといえばわかりやすいというか、男性から仕掛けなくても寄ってきてくれるのは楽なのかなって。
小野賢章さん:
「それは何の狙いで?」って思いますが(笑)、楽は楽ですよね。若いうちは好きなのかわからない駆け引きみたいなので毎日ときめいてワクワクしてとかありましたけど、大人はそんな時間もないですから、わかりやすいほうが良いなって個人的には思います(笑)。
マイソン:
確かに。今回立場的に演じられた役とは逆なのですが、小野さんが学生だった頃、モテていた先生とか人気のあった先生とかって、いらっしゃいましたか?
小野賢章さん:
僕らの時は、保健室の先生ですね。女性の若い先生ってほぼいなかったので、僕らは保健室で“あゆみちゃん”って皆呼んでました(笑)。「ちょっと休憩させて」みたいな感じで、普通に世間話をしたり、仲良くしていましたね。
マイソン:
可愛らしい先生だったんですか?
小野賢章さん:
可愛らしいというか、喋りやすい先生でした。
マイソン:
イメージ的に勝手に若い先生って保健室の先生か音楽の先生っていうイメージがあります。
小野賢章さん:
確かにそういうイメージがありますよね。保健室の先生ってセクシーな印象があると思うんですけど、あゆみちゃんは全然セクシーじゃなくて(笑)、本当に話しやすいお姉ちゃんみたいな人でした。
マイソン:
学生当時、男子はバスガイドさんとかにもすごく沸いていた記憶があります(笑)。
小野賢章さん:
あ〜、そういうのもありますよね。僕らの場合は先輩とかでしたかね。
マイソン:
カッコ良い綺麗な先輩とか?
小野賢章さん:
水泳部の先輩ですっごく可愛い先輩がいて、憧れていました。水泳部に入れば良かったなって思うくらい。でも、結局1回も喋らずに終わりました。
マイソン:
そうなんですね。その先輩、見てみたいです!では、今回先生を演じてみて新鮮だったことはありますか?
小野賢章さん:
普段、声の仕事とかでやらせてもらう役って、10代とか高校生に近い年齢が多いので、大人を演じるっていうのはすごく楽しかったです。ただ、「大人って何だろう?」みたいな(笑)。今29歳なので、実年齢通りやれば良いんですが、実年齢でやったのが大人に見えるかどうかっていうのがちょっとわからなくて。そこが新鮮で楽しかったし、苦労したところでもありますね。
マイソン:
キャラクターがご自身に近い部分があるからこそ逆にわからないというか。
小野賢章さん:
そうなんですよ。見た目も相まって、女子高生のキャラクターも大人っぽい子はすごく大人っぽいので、その子と並んだ時に僕が果たして大人に見えるのかっていう(笑)。そういうところがちょっと不安ではありました。
マイソン:
俳優と声優、それぞれの作品の出演がありますが、それぞれ難しさとおもしろさってどんなところにありますか?
小野賢章さん:
一番難しいのはやっぱりアニメの声のお仕事かなってすごく思います。声だけで表現するのってすごく難しくて繊細で、絵が全部完成する前に収録するので情報がわりと少なかったりするんです。だから出来上がったものを観て、(アニメのキャラクターは)こういう表情をしていたんだとか、完成してから気付くことが多かったりします。ゼロから自分のオリジナルでどんどん想像を膨らませながらやっていくところが楽しくもあるし、一番難しいというか。絵に合わせるっていう作業はすごく難しいなって思うことはあります。ただ全部そうですけど、演じる上ではあまり変わりないと思っていて、全部楽しくやらせてもらっています。
マイソン:
海外の実写だと表現の仕方がお国柄とかで違ったりするのかなと思うのですが、いかがですか?
小野賢章さん:
そうですね。ただ実写の吹き替えに関しては向こうの役者さんの音声が入っていて、表情も見られるので、わりとそれを頼りにやっています。参考書を見ながら問題を解いているみたいな、そんな感覚ですね。日本語にした時の日本語でのおもしろさみたいな、日本語でこの言葉を伝えなきゃいけないっていうのはあるので、そことのバランスを見ながらやっています。
マイソン:
なるほど〜。では最後に、トーキョー女子映画部に向けて、女子目線でここを観て欲しいというポイントはありますか?
小野賢章さん:
僕はこの作品は男子目線の映画だと思うんですよ(笑)。女子の皆さんはどういう心境でこれを観れば良いのかって、なかなかわからないんですけど…。どうすれば良いんですかね。しかもこんな女子高生なかなかいないじゃないですか。なので、女子はどの目線で観たら楽しいのかっていうことを逆に検証して頂ければと。ただ、僕が演じた男性教師が振り回されている姿とかは楽しく映るんじゃないかなって。映画自体はポップにテンポ良く軽めに進んでいくので、そのあたりを観て楽しんで頂けたらなと思います。
マイソン:
ありがとうございました!
2019年1月31日取材&TEXT by Myson
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『お前ら全員めんどくさい!』
2019年2月23日より全国順次公開
監督:宝来忠昭
出演:小野賢章/小宮有紗/茜屋日海夏/大原優乃/都丸紗也華
配給:日本出版販売
クラスで友達がいない様子の女子生徒、一宮数美の相談にのった国語教師の國立国彦は、一宮に友達ができるまで自分が友達になることに。しかし、昼休み、放課後、下校までずっと一緒にいることになり、早く一宮に友達ができるよう奔走するが、余計にややこしい状況に陥ってしまう。
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©2018 TOBI・COMICメテオ/「お前ら全員めんどくさい!」製作委員会