同じストーリーを観ていても、ハッピーエンドと解釈する人と、バッドエンドと解釈する人がいるのはなぜでしょう。それは、人によって解釈の軸が異なるからだと思います。これは映画やテレビドラマに限らず、自分に起こるできごとや人生そのものに対しても同じ事ではないでしょうか?今回は“魔法”をキーワードにした作品について、解釈の例をご紹介します。
ツイートワンス・アポン・ア・タイム シーズン1
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<こんな解釈で観てみよう> |
悪い魔法にかけられた現実の世界ストーリーブルックは、私たち自身の世界を描写していると思って観てみてください。ストーリーブルックの住人たちを救えるとされる人物エマは、最初から救世主のような人物ではなく、どちらかというとこれまでの人生もあまりうまくいっておらず、投げやりな考えを持つような人物です。エマがストーリーブルックの住人たちを救うには、彼女自身がまず魔法の存在と力を信じなければいけないのですが、現実の世界で魔法なんてあり得ないと思っているエマはなかなか町を救えません。エマだけでなくストーリーブルックの住人たちの姿は、自分本来の生き方を忘れ、自分の力を信じない人々を描写しています。ストーリーブルックの秘密を最初から信じて止まないヘンリー少年は、日常に起こる偶然は必然であり、奇跡はあらゆるところで起こっていることに気づいています。そういうことに気づけなくなった大人たちへの覚醒を呼びかけていると思って観てみると、「自分の人生のハッピーエンドは、自分自身が握っている」と信じられそうです。 |
魔女の宅急便
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<こんな解釈で観てみよう> |
魔女とはいえ、ほうきで空を飛ぶ魔法しか使えないキキ。これを魔法ではなく、才能だと解釈してみてください。どんな人にも役に立つかどうかは別として得意なことがあるはず。キキは始め自分が空を飛べるのは当たり前だと思っています。でも、空を飛ぶ夢を持って、空飛ぶ飛行機を何度も作っては失敗している少年が出てきます。才能を持って生まれてきた人、才能があるかはわからないけど情熱を持って生まれてきた人。この二人のそれぞれの奮闘ぶりを観ることで、才能があるかないかよりも「自分はできると信じられるかどうか」が大事だということがわかります。「魔法を使えること」は羨ましがられる一方で足かせにもなる。これは才能も同じです。持って生まれた才能が自分が望むものとは限らないし、良いことばかりとは限りません。何かに熱中する情熱についても同じです。自分が大好きなことを極めることは、周囲に受け入れられるかはわかりません。でもそのことに対する才能や情熱は誰にでも同じように与えられるものではないことに気づいて感謝できるようになれば、それを自分の意志、自分なりの方法で役に立たせることができるはず。そうなったら、周りの人も自分も幸せになれそうです。 |
物事は解釈次第で見え方が全く変わります。悪いできごとに見えても、それを良い経験だと思う人にとっては成長の機会になります。いつも幸せそうにしている人は人より幸せの数が多いのではなく、幸せな解釈が上手なのだと思います。幸せを増やすのはあなたの解釈次第で可能なのではないでしょうか。まずは映画やテレビドラマの解釈で試してみてください。
2014.3.10 TEXT by Myson