清水崇史監督と言えばやっぱりホラー映画のイメージが強いので、どこかそれらしいアレンジなどがあるのかなと思って観ましたが、ストレートにさわやかな青春ファンタジーでした。でも、ホラーとファンタジーって、非現実的な世界を現実的というか目の前にあるものとして成立させなくてはいけないという意味でも、観ようによっては不気味にも滑稽にも見えるという意味でも、ちょっと通じる部分があるような気がします。本作では、“魔女”という存在が持つイメージがプラスにもマイナスにもなり物語を大きく動かす要素になっていますが、そのミステリアスな部分が不気味だけど好奇心をそそる独特な雰囲気で描かれており、ホラーで培ってきた清水監督が得意とする描写が活かされているんだなと感じました。なぜ清水監督が『魔女の宅急便』を撮ったのか不思議に思う方、その答えはあなた自身の目で確かめてください。そして、やっぱりジブリと比較してみたくなりますよ。 |
デートで観るのもオススメです。ジブリの映画で知名度があるので『魔女の宅急便』自体は多くの人が馴染みやすいし、実写だとどうなのかというのは誰もが気になると思うので、誘いやすいですよね。内容も清々しく、ほろっとくる部分もあり、気まずくなるシーンはないので、どんなカップルでもオーケーです。ジブリのバージョンも観てみたいと思ったら、「今度は家で観よう」と、次のデートの約束もできますよ。 |
キッズにもティーンにもオススメの作品です。これまで本や映画などで描かれてきた魔女はいろいろいますが、魔女を怖がる人もいれば、憧れる人もいますよね。本作主人公のキキがどういう人物かに関わらず、「魔女」という存在に対する周囲の人々の先入観や思い込みがどう影響するのかも描かれていて、考えさせられることが多くあります。また自分がやりたいことをやると決意すること、誰にも負けない熱意を感じて何かに打ち込むこと、自分に自信を持つことの大切さも描かれています。何をやっても失敗ばっかりと元気がない友だちがいたら一緒に誘って観てくださいね。 |
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©2014「魔女の宅急便」フィルムパートナーズ
2014.2.26 TEXT by Myson