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『神さまがくれた娘』
2014年8月29日DVDリリース
9月5日レンタル開始
2014年8月2日部活実施
TSトーキョー社内にて
鑑賞会&座談会
公式サイト 作品詳細
映画批評&デート向き映画判定
※一部、ネタバレする箇所があります。
マイソン:感想とこの作品に興味を持ったきっかけを教えてください。
Aさん:私は韓国ドラマで、お母さんが知的障害者で、息子は健常者(大人)っていう設定の作品を観たことがあるのですが、この映画だと娘がまだ子どもだったので、障害のあるお父さんとどう関わりを持っていくのかが気になりました。
Bさん:前に『きっと、うまくいく』を観て、インド映画っておもしろいなと思って、この映画にも興味を持ちました。親子愛の描かれ方がすごく良くて、最後の展開には涙が止まりませんでした。
Cさん:インド映画って、歌って踊ってというイメージで、あまり関心が持てなかったんですけど、最近『マッキー』を観て「インド映画も悪くないな」と思って、この映画も観てみたいなと思いました。法廷劇があったのは意外でしたが、今までのインド映画とは違って観やすかったです。観る前は149分は長いなと思いましたが、あっという間でした。
Dさん:何かであらすじを読んだときに『I am Sam : アイ・アム・サム』っぽいのかなと思って興味を持ちました。インド映画に関しては、私はもともとしっとり系のイメージが強かったので、この映画もそういう感動的な話かなと思って観ました。
Eさん:私は今日初めてインド映画を観ました。『〜アイ・アム・サム』と重なるシーンが出てきたので懐かしかったです。ちょっと気になったのは、インドの福祉制度についてで、映画は別として主人公のお父さんのような問題を抱えている人が実際に子育てをできるのかということと、ちゃんと生活することが可能なのかなと思いました。
マイソン:そうですよね。実際にインドだとどんな福祉制度があるのかも気になりますよね。では娘のニラー役を演じた子役(ベイビー・サーラー)の印象はどうでしたか?
Bさん:かわいいし、上手いし、手話のシーンとか字幕が入っていなくても、伝わってくるものがありました。私は日本の子役の媚びているような感じが苦手なので今回のインドの子とか欧米系の子役の方が好きです。
Dさん:私のイメージだと日本の子役は、涙で見せるところがあると思うんですけど、この子はそんなにポロポロ泣いて訴えることはしませんでしたよね。それでも観ている側に伝わってくるものがあって、そこが日本の子役とは違うなと思いました。
Fさん:ニラーはかわいかったですね。演技も自然で良かったと思います。私はお父さんがちょっと大袈裟な演技なようにも思えましたが、こういう知的障害者役は、すごく努力が必要だったりして大変なんだろうなって思いながら観ました。
Cさん:この映画って子役に支えられている作品ですよね。彼女はかわいいし、本当に上手でした。
Aさん:顔の彫りが深いせいか5歳なのに、ずいぶん大人っぽく見えました。この映画には美人な女優がたくさん出ていたので、ニラー役の子もいずれはああいう美人な大人になるのかなと思いました。将来が楽しみです。
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マイソン:知能の発達障害を抱えている父が育児していた状況はどう思いましたか?もし実際に周りにこういう親子がいたらどうですか?
Dさん:この映画の状況に限って言えば、村でずっと2人で幸せに暮らすこともできるだろうし、都会に行ったとしても裕福な親戚に助けてもらいながら暮らすこともできますよね。クリシュナ(お父さん)は、知能はないけど知識はあるようだったし、周りさえ波風を立てなければ彼は本能的に娘を守って、困らずに暮らすことができそうな気がします。
Eさん:現実的に考えるとまず出産できないですよね。妊娠段階で周りが止めるだろうし。クリシュナのようなシングルファーザーは自分が生きていくこと自体も大変なので、実際には厳しいと思います。子どもだってあんなに簡単には育たないと思うし、私自身が出産して5歳まで育てたことを思い返すと、どれだけ苦労してきたかって思います。ですからやっぱり映画だからこその設定ですよね。
Fさん:映画だと、娘は預けてクリシュナがチョコレート工場で働いて生活していくことができるんだと思います。現実的に考えると、まず子どもが産まれたときに、自分の子どもだって認知できるのかなって思います。母親だったら自分が出産するから、母性が生まれるのかも知れませんけど、父親だとどうなんでしょうか。それに子どもが夜泣きしたら、本人もかんしゃくを起こしたりしないのかなっていうのが疑問です。
Aさん:映画だと思って観るから素敵なお話だけど、もし自分の身近にいたらと考えると想像できませんね。私だけがその親子をサポートするのは難しいと思うし、自分以外にも支えてくれる仲間がいれば、一緒に支えてあげたいです。監督は、もしかするとインドにこうなって欲しいっていう思いを託してこの映画を作って、社会を変えるきっかけにしたかったのかなと思いました。
マイソン:お父さんの歳を精神的に追い越した娘が、逆に面倒をみるようになるっていう話も出ていましたが、その点はどう思いましたか?
Aさん:娘にとっては、生まれたときからあのお父さんですし、もちろん反抗期になって「どうしてうちのお父さんは障害があるの?」って思うかも知れませんが、娘が大きくなるに連れてきっと自然と役割交代していくんじゃないでしょうか。もし娘がお父さんの面倒をみたくないって思ったとしても、お父さんを施設に預けるとか、それを考えるのも娘次第ですよね。でも理想としては、ニラーが医者になってお父さんを面倒みて欲しいです。
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マイソン:ではこの映画はどんな人にオススメしますか?
Dさん:反抗期を迎えた女子中高生ですね。まさしく「お父さんなんて嫌い」って言っているようなドンピシャ世代に敢えて突きつけてみても良いと思います。
Aさん:インド映画が踊って歌ってというイメージがある人だったら、「ちょっと違うタイプのインド映画だよ」って言ってオススメします。あとは、普段社会福祉にあまり興味を持つ機会がなかなかないので、こういう人たちが世の中にはいるんだということを知るきっかけにして欲しいです。若い人たちがこの映画を観て、日本の福祉制度も見直して変えていって欲しいなと思います。
Fさん:誰にでもオススメできる作品ですが、親子愛の点では女の人の方がウケが良い気がします。「インド映画だけど、唐突なダンスとか恋愛の駆け引きとかがないから、安心して観られるよ」って言って薦めます。
Eさん:私はインド映画が今回初めてだったので、同じように初めて観る人には「インド映画っていっぱい踊るイメージだけど、この映画はそうじゃなくて観やすいよ」って言います。あとはキーワードとして『〜アイ・アム・サム』のことも伝えます。
Cさん:映画を観て泣けるタイプの人って男女問わずいるじゃないですか。そういう人に夜こっそり一人で観て泣いて欲しいです。誰かと一緒に観ると、突っ込んでばかりになりそうなので、一人でじっくり観ていっぱい泣けたら良いんじゃないかと思います。
マイソン:インド映画らしい演出もありますし、あまりツッコミを入れ過ぎたらダメですよね。細かいことを考えずに純粋に観て欲しいですね。
トーク中は結末についても議論しましたが、皆さんいろいろな意見を挙げ、ついつい熱く語ったほどです。なぜ議論になったかは本作を観てのお楽しみです。
インド映画に歌やダンスのイメージを持っている方、インド映画に馴染みがない方には特に観て欲しい作品です。親子の心温まる感動ストーリーに涙してみてはいかがでしょう。
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『神さまがくれた娘』
2014年8月29日DVDリリース/9月5日レンタル開始
監督・脚本:A.L.ヴィジャイ
出演:ヴィクラム/ベイビー・サーラー/アヌシュカー/アマラー・ポール/ナーセル/サンダーナム
マクザム
公式サイト 映画批評&デート向き映画判定
ご購入はこちら→ 神さまがくれた娘 [DVD]
6歳児程度の知能しかないが正直者のクリシュナは皆から愛されていた。彼は結婚をして子どもも授かるが、妻バーヌマティに先立たれ、周囲の助けを借りながら娘ニラーを育てる。だがニラーが5歳になったある日、街の有力者である妻バーヌマティの父が2人の存在を知り、クリシュナに子育てはできないと、ニラーを連れ去ってしまう。
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2014.8.2 event