REVIEW
1937年に製作されたディズニーの『白雪姫』は、世界初のカラー長編アニメーションであり、ウォルト・ディズニー・スタジオの原点とされています。映画公式資料には、ウォルト・ディズニーが行った歴史的なプレゼンテーションについて以下のように書かれてあります。
1934年の冬のある日、ウォルト・ディズニーは50人のスタッフに向かって、ある物語を語りはじめた。むかしむかし、あるお城で暮らしていたプリンセスの物語だ。ウォルトはプリンセスだけでなく彼女が森で出会う7人のこびとや、邪悪な魔女もひとりで演じ分け、そのプレゼンテーションは3時間に及んだ。/彼が語る物語に参加者は完全に魅了された。
ちなみに、1923年に兄と共にスタジオを立ち上げ、短編ばかりを製作していたウォルトは、初の長編アニメーションとなる『白雪姫』の製作をありとあらゆる人間に止められたといいます。当時、長編アニメーションの製作は未知の領域で、観客は1時間以上のアニメーションを観るのかもわからない状況のなか、ウォルトには確信があり、資産のすべてを投じて作られたのが『白雪姫』(1937)とのことです。

こうした背景からディズニーにとって『白雪姫』がいかに思い入れが強いかがわかります。その『白雪姫』が遂に実写化された本作には、これぞディズニー映画といえる世界観が受け継がれています。青、黄の色使いが印象的な白雪姫のドレスはもちろん、レイチェル・ゼグラーが演じる白雪姫の仕草にも、その系譜を感じます。

そして、やっぱりミュージカルシーンが見どころ。レイチェル・ゼグラー、ガル・ガドットら個々のパフォーマンス力の高さが感じられるのはもちろんのこと、集団で演出されたシーンには迫力と華やかさがあります。日本語吹き替え版では、吉柳咲良の透き通る声が心地良く、河野純喜の声には独特の柔らかさを感じます。そして、女王(ガル・ガドット)の声を担当した月城かなとのパワフルな歌声には、「さすが元宝塚歌劇団のトップスター!」と圧倒されるはずです。

本作にはディズニーの原点『白雪姫』(1937)から受け継いだDNAがありつつ、現代的な新鮮味のある展開もあります。ディズニーファン、ミュージカルファンだけではなく、子どもから大人まで見応えが感じられる作品なので、一度は大きなスクリーンで映像と音楽の美しさとスケールを味わってください。
デート向き映画判定

白雪姫のラブロマンスが描かれつつ、意外にサバサバしたところがあり、本筋はラブストーリーよりも、白雪姫が国民を守るリーダーとしてどう戦うかというストーリーとなっています。なので、ラブストーリーの要素が苦手な方でも観やすいのではないでしょうか。
キッズ&ティーン向き映画判定

「7人のこびと」のキャラクターも丁寧に描かれています。特に“おとぼけ”はキーパーソンとして描かれていて、共感できる要素があります。最後にちょっとしたサプライズもあるので、“おしまい”となるシーンまで気を抜かずに観てください。また、アニメーションの『白雪姫』(1937)でお馴染みの名曲は、皆さんもどこかで聞いたことがあるかもしれません。さらに本作は『ラ・ラ・ランド』『グレイテスト・ショーマン』『アラジン』も手掛けた、パセク&ポールによるソングライター・チームが担当しているので、オリジナル曲にも注目してください。

『白雪姫』
2025年3月20日より全国公開
ウォルト・ディズニー・ジャパン
公式サイト
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TEXT by Myson
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情報は2025年3月時点のものです。最新の販売状況や配信状況は各社サイトにてご確認ください。
