2014年9月27日より全国公開
シンカ、パルコ
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脚本家としては『フォー・ウェディング』『ノッティングヒルの恋人』『ブリジット・ジョーンズの日記』というラブストーリーの名作を生み出してきたリチャード・カーティス。脚本だけでなく初監督を果たした『ラブ・アクチュアリー』も世界中の人を魅了したのは言うまでもありません。そんなリチャード・カーティスが監督するのは、本作で最後というから悲しすぎるのですが、最後を飾るにふさわしい作品となっています。ちなみに、リチャード・カーティス監督は、オックスフォード大学出身でローワン・アトキンソンと同窓だったようですね。在学中から彼とコメディを執筆し、後に『Mr.ビーン』が生まれます。そんな監督が持つユーモアはもちろん本作にも散りばめられていて、人生の悦びや悲しみを温かく明るく描いています。そして本作で描かれる出会いと別れには“愛”がいっぱい詰まっていて、そこがとても切なくもあり、温かくもありました。普段意識しないだけで一人の人間の周りには愛が溢れているんですね。本当にリチャード・カーティスってこういうストーリーが上手過ぎます! ポスタービジュアルや場面写真からは、いかにもラブストーリーを想起させますが、父と息子の物語でもあるので、老若男女どんな人の心にも刺さる内容となっています。父が息子に気付かせたかった大事なこと…それを知ったとき、観ているこちらも、何でもなかった毎日がパッと明るくなるような感覚で幸せになれます。先日来日し会見を行ったリチャード・カーティス監督のお話にもありましたが、「今日が最後の日だったら、何をするだろう」そんなことを考えたことからこのストーリーが生まれたそうです。毎日を大切に生きよう、何でもないように見える毎日こそ大切ということに気付かせてくれる映画です。 |
ぜひ大切な人とのデートで観て欲しい作品です。前半はラブストーリー、後半はどちらかというと父と息子の物語に軸が変わりますが、一貫して愛する人との人生にテーマを置いていて、出会いと別れを描いています。リチャード・カーティスが過去に描いた傑作『ラブ・アクチュアリー』もそうでしたが、恋愛だけではなく、家族愛など“愛”そのものを描いた本作は、愛で満たされる感覚を味わえるので、鑑賞後はとても優しい気持ちになれると思います。ちょっと喧嘩しちゃったときに仲直りのきっかけに観るのも良いのではないでしょうか。 |
人生の酸いも甘いも経験している大人の方が身に染みる部分は確かに多いと思いますが、小学校高学年以上なら充分にわかるストーリーです。ラブストーリーの要素もありますが子どもが観てもオーケーな描写だし、全体的には家族愛を描いた作品なので、ぜひ家族で一緒に観て欲しいです。お互いの大切さを実感できる内容ですが、わざわざ言葉にしなくても一緒に観れば同じ気持ちになれるのでそれだけでも充分だと思います。 |
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2014.9.19 TEXT by Myson