2016年10月1日より全国公開
カルチャヴィル、ローソンHMVエンタテイメント
公式サイト
本作は、デビューから6年、29歳でこの世を去った伝説のシンガー、ハンク・ウィリアムスの物語。ハンク・ウィリアムスのことはこの映画を観るまで知らず、主演のトム・ヒドルストン目当てで鑑賞しましたが、その歌声にビックリ。ほんと、この方は何でもできますね!顔はタイプではありませんが(知らんがな・笑)、役者としてこれで一層惚れました。そして、恐妻を演じたエリザベス・オルセンもすごく新鮮で良かったです。 資料によると、1947年カントリー歌手としてメジャーデビューしたハンクの音楽は、その後エルヴィス・プレスリーやザ・ビートルズなどへ受け継がれ、“ルーツ・オブ・ロック=ロックの父”と呼ばれるほど。2001年にリリースされた「ハンク・ウィリアムス トリビュート」にはボブ・ディラン、ジョニー・キャッシュ、キース・リチャーズ(ローリング・スト−ンズ)、BECK、ノラ・ジョーンズ等が参加していることからも、彼が今もなお伝説のスターであることがわかりますね。そんなハンク・ウィリアムスは、劇中ではとても扱いづらい人物に映っていますが、こういうスターの伝記を観る度に、人を感動させる歌の内容と、私生活での素顔とのギャップはどこから生まれてくるのだろうと考えてしまいます。それはスターであり続けることと、いち人間としての幸せの両立が難しいことと深く関わりがあるように思うのですが、スターとはいえ1人の人間であるからこそ、多くの人の心に通じるメッセージが届けられて、その一方でスターだからこそ普通ではいられない苦悩が全部私生活のほうに鬱積してしまうのだなあと切なくなります。男女のストーリーとして観ても、「もしこういう人を好きになったら、私はどうするか」と女子目線でもいろいろと感じるところがあったので、夢を追う男性と付き合っている女子はぜひ観てみてください。 |
夢を追う男と、夢を捨てきれない女の物語という視点もあるので、同業でお互いに出世欲を持ちながら付き合っているカップルは参考になる部分もあると思います。ただ、一緒に観るべきかというと、1人でじっくり観て考えたほうが良さそうです。前述に当てはまらないカップルが、映画デートで観る作品として考えた場合、正直なところ恋愛的な展開は苦難が多いので、ロマンチックなムードはあまり期待しないほうが良いでしょう。ハンク・ウィリアムスの自信満々な態度が女子目線ではときにキュンとくるので、女子だけで観て、鑑賞後にワイワイ話すほうが楽しいかも知れません。 |
ティーンなら、将来なりたい職業への道がだんだん近づいている感覚もあると思うし、スターを夢見る人もいると思うので、参考にすると良いでしょう。普段私達はスターの輝かしい部分だけを見せられていますが、実際には彼らも1人の人間で、皆と同じように家族のことで悩んだり、仕事のことで悩んだりしています。どんな職業にもメリット、デメリットがありますが、そういう視点を得るだけでも、将来の進路を決める上で役に立つと思います。 |
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2016.9.12 TEXT by Myson