2016年4月16日より全国順次公開
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本作は壁によって分断されたパレスチナで暮らす若者達の葛藤を描いた作品で、実話ではありませんが、本作のスタッフが全員パレスチナ人で撮影地もパレスチナということで、限りなく現実に近い作品となっています。 主人公オマールは、イスラエル軍の監視の目を盗んでは高い壁を越えるのですが、一回だけでなく何度も壁を越え行き来し、毎度危険を冒しているのに誰も止めないのがすごく不思議でした。観終わってから資料で確認したところ、「パレスチナには実際に分離壁が立てられていて、その壁を越えて行き来することは市民にとって日常的なこと」とあり、やっと納得できました。日本で暮らす私達にとっては、平和に暮らすことが当たり前だと思っていますが、危険と常に隣り合わせでいることが当たり前の人達も世界には存在するということを改めて感じました。 本作には社会的なテーマ以外に、オマールの恋人や友人との信頼関係が描かれた部分もあり、そういった点では共感できるところがたくさんありました。オマールはすごく誠実な人ですが、時にその誠実さを利用する人が出てきてしまい、オマール自身は恋人や友人を信じたいのに疑わなくてはいけない状況になってしまうのがリアルで、映画としてのおもしろさも感じました。皆さんもぜひいろいろな視点から本作をご覧ください。 |
ラブストーリーがメインのお話ではありませんが、オマールの誠実な恋愛スタイルには参考になる点がたくさんあります。物語の途中、オマールは恋人との関係が脅かされてしまうのですが、オマールは身の危険も承知の上で恋人に会いに行き、一生懸命話し、相手と向き合おうと努力する姿がすごく紳士的でカッコ良かったです。男性にはぜひオマールをお手本にして欲しいと思います(笑)。また、オマールが恋人と手紙でやり取りをする素敵なシーンもあるのですが、これもとても素敵!普段携帯やスマフォでやり取りを済ませてしまいがちですが、これを機に相手に手紙を書いてみるのもアリだと思います。 |
キッズもティーンも観られますが、オマール達の生活は、日本で暮らす私達とは全然違うので驚くことがたくさんあると思います。キッズは学校で世界情勢のことを勉強した後で観た方がより理解が深まると思います。実話ではありませんが、オマール達のように日々命を危険にさらしながら生活している人達が実際にいるということと、今の私達の生活がいかに幸せなのかを実感してもらえたらと思います。また、オマールは警察に脅されたり、周囲に人達に疑われたりすごく厳しい状況に置かれますが、どんなときでも信念を忘れません。皆さんもぜひオマールのような強い信念を持った誠実な大人を目指しましょう。 |
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