2018年3月30日より全国公開
ビターズ・エンド、パルコ
公式サイト
戦時中の政治の話なので、堅い内容だと思っていましたが、チャーチルの奮闘ぶりにすごく泣けました。ちょっとぶっきらぼうなチャーチルですが、とてもお茶目でクスッと笑えるシーンもあったり、根は優しい人なんだなというのが伝わってきました。和平交渉に逃げてナチスの支配下に置かれるより、最後まで諦めずに戦う国のほうが立て直せるという、政治家としての力強い考え方にも共感。特に電車のシーンは感動的で、国民の声に耳を傾け、一人ひとりの名前を覚える姿に心を打たれました。これこそ政治家の鑑ですね!あと、どれだけ反対意見が多くても安易に自分の考えを曲げずにいながら、内心はすごく葛藤を抱えている部分もとても人間的で、親近感がわきました。私利私欲や野心のために“個人的な政治”をする人が多いなか、本当に国と国民を守ろうとして“国を動かす政治”ができる人ってなかなかいないんだろうなと思いつつ、そういうところは国民もしっかり見てるんだぞという視点も描かれていたのが嬉しかったです。そして、最終的にはチャーチルを支持しアドバイスをした国王や、夫を支えた妻もすごく素敵でした。心に残る名台詞も多く、中でも“成功も失敗も終わりじゃない。続けることが大切”という言葉はチャーチルの生き様が表れているなと思いました。本作を観てチャーチルにすごく興味が湧いたし、イギリスという国もより好きになりました。クリストファー・ノーラン監督作『ダンケルク』や他の作品でも取り上げられている“ダンケルクの戦い”にも繋がるお話なので、他にもいろいろ興味が湧くポイントがありました。すごく良い刺激をたくさんもらえた作品なので、これはブルーレイが出たら買って、何度も観たいと思います! |
美しい夫婦愛も描かれていて、誰でも感情移入しやすいストーリーなので、カップルで観るのもアリだと思います。第二次世界大戦初期の1940年が舞台になっていますが、世界史や政治に詳しくなくても大丈夫。思った以上に観やすい内容です。蘊蓄を並べるのは避けたほうが良いですが、ちょっと格好つけたい人は、基本的な歴史情報だけ予習すると、理解度が深まってより楽しめると思います。 |
何かに悩んだり、恐怖に負けそうな状況に置かれることは誰にだってあります。反対意見ばかりで味方がおらず、孤独を感じて、自信をなくすこともあると思います。でも、チャーチルの奮闘ぶりを観たら、勇気をいっぱいもらえるはず。キッズにはまだ難しいかも知れませんが、中学生以上ならぜひ観て欲しい1作です。 |
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2018.3.20 TEXT by Myson