2014年9月6日より全国公開
KADOKAWA
公式サイト
イヴ・サンローランは1957年に21歳の若さで、故クリスチャン・ディオールの後を継ぎ、初めてのコレクションを成功させ、一気に一目置かれる存在になります。その頃出会いすぐに恋に落ちたピエール・ベルジェが、公私ともに彼を支えていくのですが、本作はイヴ・サンローランの成功と天才故の苦悩、イヴとピエールの恋愛などを描いています。そんなピエール・ベルジェが本作に全面協力し、イヴ・サンローラン財団所有のアーカイブ衣装の貸し出しの許可も得て制作された、ブランド初公認の本格伝記映画です。 ファッションに詳しいほうではないので今有名なデザイナーがいつ頃から活躍し始めたのかなどの知識がなく観ましたが、イブ・サンローラン以外にも名だたるブランドやデザイナーの名前がたくさん登場するので、それだけでまず心が躍りました。イヴ・サンローランを演じたピエール・ニネが、本人にそっくりだということも話題になっていましたが、実際に写真で確認してみたら、本当にそっくりです。なのでファッションに詳しい方にとってはよりすぐにわかるツボがたくさん詰まっている映画で、自分が詳しければもっとテンションが上がっていただろうにと思いながら鑑賞しました。でも内容についてはファッションについて掘り下げるよりも、イヴ・サンローランという人間の人生を描いたもので、誰にでも感情移入できるポイントがあります。ファッションのことだけでなく、恋愛についても描かれており、公私ともにパートナーだったピエール・ベルジェとの関係は観ていて切ない部分が多々ありました。これは彼らが同性愛のカップルであることは関係なく、天才と天才を支える者との愛と戦いの物語にも見えました。そして個人的には、好きなことを仕事にしてそれで成功した人ってどういう感覚なんだろうという視点観るととても興味深かったのですが、やはり長年に渡り第一線で期待を受けて過ごす人のレベルまでいくと楽しむという感覚はなくなってしまうかなどいろいろと考えさせられました。観る人の視点によって多角的に映る作品ですので、ぜひ誰かと一緒に観て意見交換してみて欲しい映画です。 |
上記の批評にも書きましたが、観る人によって多角的に映る作品なので、デートで観ても観る人によってはそれなりに楽しめるとは思いますが、物語の奥にあるテーマやメッセージなどを気にせずに観る人にはあまり向かない映画だと思います。そして、ファッションやイヴ・サンローランなどに思い入れがあって観る方は、特にちゃんとそれをわかってくれる人を誘う方が良いでしょう。 |
キッズにはまだ理解が難しい部分があるし、ブランドもまだあまり触れることはないと思うので、ファッションの世界に興味がわき始めるお年頃になったら観るとより楽しめるでしょう。ティーンは将来目指す道なども見えてきている人もいると思うので、特にファッションに興味がある人は観てみると良いでしょう。まずは華やかな世界にワクワクしながら観るだけでもオーケーです。 |
関連記事:
■TJE Selection イイ男セレクション/ピエール・ニネ
■来日会見、ピエール・ニネ
©WY productions - SND - Cinefrance 1888 - Herodiade - Umedia
2014.8.26 TEXT by Myson