2014年3月1日より全国公開/R-18
クロックワークス
公式サイト 予告編
“ただセックスがしたいだけ”の男女が集まる乱交パーティと聞くと、洋画で観るようなそこらじゅうで自由に絡んでいる様子を想像していましたが、さすが日本人らしく(笑)、すぐにはそうもいかないところが妙に生々しくて可笑しかったです。“乱交パーティ”と聞くと“やばくて怖いところ”という印象があるので、緊張感を持って観始めたのですが、前述したように人間のどこか可笑しい部分がセックスというテーマを軸に描かれていると言った方がふさわしい映画で、怖い、不謹慎という拒絶反応よりも、最後はなぜかほっこりしてしまう部分もあるのが不思議でした。タブーとエロという強烈なテーマが前面に出ている本作に“共感”させるようなドラマを盛り込んだ、このバランスを取るのは本当に難しかったと思いますが、すごく上手に作っていると思います。脱いで絡むというのはもちろんですが、セリフも結構ストレートなので、俳優たちの度胸と力量もなければ成立しません。どの役者たちも体当たりの演技で、エネルギーを感じました。 “結局、人間にとってのセックスって?”という深いテーマを持つ本作。男女の価値観の違いなども垣間見えたり、人間ウォッチングを楽しめます。 |
キャストはほぼ最初から最後まで裸、題材が題材なのでもちろんベッドシーンだらけです。セリフももちろん、そういう話題が飛び交うので、カップルの距離感、セックスへのスタンスにも寄りますが、デートで観るにはハード過ぎます。逆にそういうことから離れ過ぎてしまってちょっと刺激が欲しいカップルは観てみると良いかも知れません。男女の関係に何が必要かを問うテーマでもあるので、オープンにそういう話題を交わせるカップルにとっては議論のし甲斐があっておもしろいと思います。 |
R-18なのでキッズや18歳未満のティーンは観られません。キャラクターのなかには大学生も登場するので、同じ世代のティーンは共感、違和感、反感…いろいろな反応に分かれるでしょう。でも、性衝動は自然なことなので始めから否定的にならずに、そうは言っても友達とはなかなか話しづらい内容なので、ほかの同じ世代の人はどういう風なのか、映画を観て参考にするのも良いかも知れません(参考になる設定ではないですが、描かれているテーマは、性だけではない人間性や価値観を問う内容という意味で)。 |
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2014.2.8 TEXT by Myson