2012年1月21日より全国順次公開
トランスフォーマー
公式サイト 予告編
タイトルの「アニマル・キングダム」はどんな意味があるのかを考えながら観ていました。「強い者が上に立つ」「強さを示さなければ生き残れない」といった概念が観ていて伝わってきましたが、どう集結するのか最後までわからず、結末で完璧にそれを表現したという感じでした。環境を選ぶ余地がないジョシュアが生き残るために取る行動は本能なんでしょうね。始めは普通の高校生なら当然の判断をしますが、身の危険を感じ、誰が味方かわからなくなってくるなかで、彼は段々と自分のなかに「生きる」というある本能に目覚めたように思います。 この家族の絆は愛でもありそうですが、どちらかというと家族の中の上下関係で繋がれている構図がまさに「アニマル・キングダム」で、ラストシーンで祖母と孫が抱擁するシーンはちょっとぞっとしてしまいました。おばあちゃんの立ち位置も組織を保つ上で絶妙な位置にあるんですよね。上でもなく下でもなく、出るべきときに役割を果たす要の存在。でもそんな立場ながら、彼女も他のオスの中でバランスを取りながら生きているように見えました。 正直なところ、思ったよりも終始静かに進む展開がじれったくはありましたが、結末で一気におもしろさが増しました。表面だけでは理解が難しいストーリーかも知れませんが、奥深いところを考えながら観るとおもしろさが何倍にもなる映画です。 |
この物語の根底にある事柄を感じることができるととてもおもしろい映画なのですが、わかりやすい映画ではないので、あまり映画を見慣れていないとちょっと退屈に感じるかも知れません。犯罪ファミリーの物語と聞くとちょっと派手なシーンを期待するかも知れませんが、意外に静かな展開です。男性向けの映画というイメージではありますが、家族を見守るおばあちゃんの立場など、女性の視点でもおもしろい部分はあります。大家族、ファミリービジネスをしているご夫婦などは、ちょっと違った見方で楽しめるかも知れません。どちらかというと、デート・ムービーではないので、映画好き同士、1人でじっくり観るのがお薦めです。 |
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2011.11.26 TEXT by Myson