2013年5月25日より全国公開
カルチュア・パブリッシャーズ、東京テアトル
公式サイト 予告編
鬼才デイヴィッド・クローネンバーグの息子ブランドンの長編監督デビュー作。父のセンスを受け継いでいると思える部分もありますが、ブランドンはブランドンの色があるというか、映像がとてもアーティスティックで、インパクトがありました。 ストーリーも奇想天外で、セレブリティがかかった病気などのウィルスをファンがこぞって買うという異様な世界観のなかで繰り広げられます。主人公をはじめ、登場人物たちがセレブのウィルスに執着し、それがだんだんとエスカレートしていく様子はゾッとしますが、これを怖い映画と観るのか、バカバカしさを皮肉っている映画だと観るのかで、感想も変わってきそうです。ラストは衝撃的で、やはりこういうところに監督の個性というか、才能が出ているなと思いました。歪んだ愛情というか、ファン心理というか、人間の怖さを絶妙に描いています。役者も個性的で主演のケイレブ・ランドリー・ジョーンズがエキセントリックな雰囲気を醸しだし、デイヴィッド・クローネンバーグ監督作でもお馴染みのサラ・ガドンがこの異常な世界で商品化されているセレブを演じ、その美しさでストーリーに説得力を与えています。そして『時計じかけのオレンジ』のマルコム・マクダウェルが謎めいた医師を演じ、本作をよりクレイジーな印象にするスパイスの役割を果たしています。 ビジュアル的に気持ち悪いシーンも多少ありますが、映画好き女子にはぜひ観て欲しい作品です。父デイヴィッド・クローネンバーグの映画も観て、比較してみてもおもしろいと思います。 |
デートで観るのは微妙ですね。映画好き同士ならデイヴィッド・クローネンバーグ作品も一緒に観て、クローネンバーグ親子の作品について語ってみると良いでしょう。あまり映画に詳しくない人で、年に数回しか映画を観ない人と行く場合は、この映画は衝撃的だと思います。気持ち悪いシーンもあるし、物語の内容もかなりクレイジーなので、デートで敢えてこれを観なくても良いのではないでしょうか?あとは、別れたらオタクになりそうな執着心の彼氏や旦那さんを連れて行くのはやめましょう。変な趣味に目覚めたら困ります(笑)。 |
PG-12もついていないようですが、大人でも苦手な人がいそうなタイプの映画です。ホラー映画のように見るからに残酷なシーンはありませんが、妄想シーンでは見た目が衝撃的なところもあり、小さい子どもが観たらトラウマになるかもしれません。中学生以上なら、自分が興味があるなら観てみても良いのではないでしょうか。人間の狂気を描いた物語なので子どもに見せても良いものか心配かも知れませんが、そういうことだけにフォーカスして選択肢から外すのではなく、アーティスティックなシーンも多く、センスが良い映画ではあるので、いろいろな視点で観る練習というスタンスはどうでしょうか? |
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