ポスタービジュアルから漂う爽やかさとは裏腹に良い意味で重みのある作品で、観た後に残るものがあります。学校を卒業後、きらめく未来を夢見ていた青年達が、徐々に大きな問題にぶち当たり苦悩する姿はとてもリアルで、人生はうまくいかないことも多いという現実を突きつけるストーリー。そこで心の拠りどころとなるのは学生時代から仲の良い友達なわけですが、仲が良いからこそ自分が辛い時に遠慮なく八つ当たりしたり、心配してくれる相手を知らぬ間に傷つけていたり、逆に頼られているのにそれに気付かなかったり…。こういうことって誰にでも経験があって、本作を観ながら友達の顔を頭に浮かべて「ごめんね」という気持ちや「ありがとう」という気持ちでいっぱいになると思います。若手俳優達の演技も見事で、ただのキラキラ青春映画ではない点でとても見応えがあります。 |
重いテーマを扱っていますが、一緒に観て感想を語り合うことで、お互いの友達に対する価値観が見えるし、どんな友達と付き合ってきたのかがわかるので、付き合いたてのカップルはもう一歩踏み込んだ関係になるきっかけとしてオススメです。また地元を出て他の地域で住む人にも共感できる内容なので、地元の話をするきっかけにもなると思います。 |
PG-12なので12歳未満の人は保護者と一緒に観てください。高校生や大学生はまさに主人公達と同じ体験を近い未来にすると思うので、ぜひ観てシミュレーションしてもらえればと思います。強い友情で結ばれていても、自分達が苦境に陥っている時はいつも通りにはいきません。「なんで気付いてあげられなかったんだろう」「なんで助けてあげられなかったんだろう」「なんであんなひどいことを言っちゃったんだろう」という出来事がとてもリアルに描かれています。同じ失敗をしないよう、本作を観て冷静な視点を取り入れてください。 |