TOP > 映画批評TOP > 映画批評ア行 > HERE

えちてつ物語～わたし、故郷に帰ってきました。～

2018年11月23日より全国順次公開
ギャガ
公式サイト

詳細を知る前は、明るく楽しい軽やかなストーリーを想像していましたが、実は過去に事故を起こした鉄道の実話について触れられていたり、複雑な家庭環境の女性が主人公だったり、良い意味で裏切られる内容になっています。主演の横澤夏子が持つ明るいテンションはベースに活かされながらも、ドラマチックなところ、シリアスなところはちゃんとメリハリが利いていて、メッセージも明確。夢を追って上京したものの、うまくいかない若者はたくさんいると思いますが、そういった人達が故郷に帰ってやり直す姿がリアルに想像できるストーリーになっていて、それが説教じみておらず、ちゃんと現実味を帯びて描かれているので、誰でも共感しやすいと思います。夢を諦めたらどうなるのか不安になっている人も、うまくいっていないけれど夢を諦めたくないと思っている人も観てみると、客観視できて、爽やかな気分になれると思います。

映画『えちてつ物語～わたし、故郷に帰ってきました。～』横澤夏子／萩原みのり／安川まり

ラブストーリー的な要素もありつつ、ロマンチックなムードになるような内容ではないので、逆に誰でも観やすいと思います。都会に住むということ、故郷に住むということ、それぞれ恋愛にも関わってくる部分だと思うので、そういうことを話し合わなければいけないけれど、なかなか会話に持っていけないカップルは、話題のきっかけにできるでしょう。転職に悩んでいる方も、同様に話題の種にできると思います。

どこに焦点を当てて観るかは、年齢により異なりそうですが、老若男女問わず理解できる内容なので、興味があれば観てみてください。また、鉄道のお話ということで、電車好きのキッズやティーンの皆さんは必見。あと、地元で就職するか、都会に出るかで迷っているティーンの皆さんも、参考になる部分があるかも知れません。