2016年9月17日より全国公開/PG-12
東宝
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残虐な殺人事件現場に残された「怒」という文字。そこから物語がスタートし、3人の容疑者と思われる男の様子がそれぞれに描かれ、観ているうちに犯人は誰かと推理することに集中してしまうのですが、もちろんただの事件もので終わるはずはなく、怒りの本質を描いた結末が待ちうけています。怒りにもさまざまな種類があって、他者に向けての怒り、自身に向けての怒り、両方に向けられた怒り、やり場のない怒り、人間というものに対する怒り…、どれも生々しく描かれていて、“本当の怒り”の破壊力をスクリーンを通して体感できました。 吉田修一の原作、李相日監督の演出力、渡辺謙、森山未來、松山ケンイチ、綾野剛、広瀬すず、池脇千鶴、宮浮おい、妻夫木聡という豪華俳優陣、さらに東京と沖縄での一般オーディションで1200人の中から辰哉役に選ばれた16歳(撮影当時)の高校生、佐久本宝の演技力、すべてが本当に素晴らしかったです。“人を信じること”の尊さを描きながら、同時に疑問も投げかけるストーリーは、観終わった後に大きな余韻を残します。 |
冒頭から残虐な殺人現場のシーンが映り、ストーリーも重いので、初デートやウキウキ気分を保ちたい日のデートには不向きです。ただ、たまにはこういう深いテーマの映画を観て語り合うと、お互いの人間性や本質が感想に垣間見えるので、相手のことをもっと知りたいと思っているカップルは一緒に観てみるのも良いのではないでしょうか。サスペンス、人間ドラマとして大変見応えがあり、大人カップルにも満足できる映画です。 |
PG-12作品なので、12歳未満の方は保護者と一緒に観て助言を受けてください。ただ衝撃的な描写も含まれるので、キッズは今無理して今観なくても良いと思います。もう少し大きくなってから観てください。 怒りは何から生まれて、どう爆発して、その後何を残すのか、単純な問題ではありませんが、観て考える価値のある作品です。人を信じる事の危うさと大切さの両方を描いた物語でもあるので、ティーンの皆さんはぜひ観てみてください。 |
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©2016映画「怒り」製作委員会
2016.10.31 TEXT by Myson