2014年11月22日より全国公開
ワーナー・ブラザース映画
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これまでテクノロジーが進化した未来を描いた映画はたくさん観てきましたが、本作で描かれている未来の姿は意外なものでした。そこでは宇宙飛行士になるような知識や学力はもう必要がなく評価もされない、農業を継ぐことが良い進路だとされている価値観があります。一通りの科学技術を経験済みの未来社会はもう宇宙への夢を捨てて、日に日に加速する食物不足問題に瀕しています。こういう世界のなか、マシュー・マコノヒーが演じる主人公クーパーは元宇宙飛行士ということで、彼がどうやってまた宇宙に飛び立つことになるのか、展開が予想できませんでしたが、結びつきがあるとは思えなかった日々の出来事から、だんだんとSF的な展開へと繋がっていく流れには驚きました。“相対性理論”がやたら出てきたあたりから、ちょっと置いてけぼりになりそうな危機感を覚えましたが、観てみるとそこは完全に理解出来なくても大丈夫です。宇宙飛行についてこういう描き方をした作品を今まで観たことがなかっただけに、宇宙にいる父と地上にいる子どもとの関係についてもとても興味深いものがありました。どこまでの理論が実際にある学説などに基づいているのかわかりませんが、クリストファー・ノーランをはじめとした本作の制作陣、こういう世界が好きな頭の良い人たちの発想って本当におもしろいなと実感しました。クリストファー・ノーラン作品といえば、やっぱり未来的なガジェットやマシーンも見どころですが、今回登場するロボットもとても斬新なスタイルと動きをしておもしろいです。 宇宙規模で描かれる親子の物語は最後に全てが繋がる爽快感をもたらしてくれます。ぜひ、本作を観て、「もし世の中がこんな仕組みだったら」と想像してみてください。今いる世界が全く違って見えるかも知れませんよ。 |
少々好みが分かれそうな内容です。少々難しい理論も出てくるので、ある程度の理解力というか、物語についていく集中力も少し必要です。実際にはその理論について知らなくても物語についていけますが、物語の設定自体を理解できていないと感情移入しづらくなるでしょう。少々頭を使う映画を観慣れている人を誘うなら良いと思います。ラブストーリーの要素はほぼないので、ロマンチックなムードになる可能性はありませんが、友達以上恋人未満、付き合いたてのカップルには逆に観やすいでしょう。 |
キッズには難しすぎるし、上映時間が169分なので、集中して全部観られるかわかりません。ティーンはこういうジャンルが好きな人、理系の人は特に楽しく観られるのではないでしょうか。そうでないティーンの人でも、親子のストーリーなどドラマとして楽しめるポイントがあります。発想がとてもおもしろくて、世界観を少し変えてくれるような要素があるので、今は少々理解できない設定があっても気にしすぎずに、心で感じるままに観てみましょう。 |
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2014.11.11 TEXT by Myson